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2008年8月

サンタ・マリア・ディ・ナザレ教会

 教会巡り3シリーズ目は、カンナレージョ地区・鉄道駅近くからザッカリア河岸のカステッロ地区までの長いルートをたどる。

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 まずはサンタルチア鉄道駅のすぐ横にあるナザレ教会に入ろう。教会正面の祭壇はフォンダメンタヌオーヴェにあるジェズイーティ教会のようなねじれた8本の茶色の柱が特徴的だ。

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 左礼拝堂にある彫像が面白い。3人家族(聖家族だろうか)が宙に浮いたように配置されており、まるで空を飛んでいるようだ。

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 洗礼台の上方には小さ目のキリスト磔刑像が飾られている。

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 また、右奥スペースには昔のスカルツィー橋の写真が飾られている。現在の橋は教会から見て左側に弧を描くような形に架けられているが、その少し前には教会右側に直線の鉄製橋があったようだ(左から2番目の写真)。ただ、スカルツィー橋が建て替えられたという記述にはお目にかかったことがない。一番右側の写真を見ると現在の橋と直線の橋の両方が映っている。もしかして鉄製の橋は臨時の橋だったのだろうか。

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スーパーよさこい2008

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 原宿周辺を舞台にして開催される「原宿表参道元気祭・スーパーよさこい」は、今年で8年目。すっかり夏の恒例行事として定着したようです。先週末にその様子をのぞいてきました。ピックアップをご覧下さい。

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 表参道、代々木公園、NHK前など6か所で踊りが展開されましたが、ここはNHK前ストリートの模様です。

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 北は青森県から西は佐賀県まで、91チームが参加しました。

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 時折雨のぱらつくあいにくの天気でしたが、踊りの熱気はそれを吹き飛ばすほどの熱さでした。

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 なかには優雅なたたずまいの踊りも・・・

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 見ているだけで、元気をもらえる祭りでした。

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傾いた鐘楼

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 ヴェネツィアの街を歩いていると、鐘楼が傾いているのをあちこちで見かける。今回は、そのベスト(ワースト?)3を取り上げよう。

サン・ジョルジョ・デイ・グレーチ教会

 スキアヴォーニ海岸を歩いていくといくつもの橋を渡るが、その中でも比較的大きなグレーチ運河に架かる橋の上で海とは反対側を眺めると、傾いた白い鐘楼が見える。それがグレーチ教会の鐘楼だ。傾斜度はトップを争うくらい大きく、向かいの島、サン・ジョルジョ・マッジョーレの鐘楼から見てもはっきりとわかる。名前のとおりこれはギリシャ人たちの教会だ。15世紀ころのヴェネツィアはまさにインターナショナルな都市だったが、在住ギリシャ人も約5000人にも上った。ここはその在住ギリシャ人たちが建立した、西欧で最も古いギリシャ教会という。今も、東方正教会の礼拝が行われているという。ただ、私は何十回もこの付近を通ったが、残念ながら一度も開いているところを見たことがない。

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サント・ステファノ教会

 サンマルコ地区のほぼ中央部にあるサンタンジェロ広場に立って西側を見上げると、今にも倒れそうな鐘楼が目に入る。サント・ステファノ教会の鐘楼だ。北方向に傾いており、見つめていると平衡感覚がおかしくなってくる。15世紀の建物で、老朽化に加えて近年まで続いた地盤沈下などの影響もあるといわれている。危険防止のために、行政当局が下部に支えを継ぎ足して補強したほか、センサーを取り付けて日常的な監視も続けている。

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サン・ピエトロ・デイ・カステッロ教会

 サンマルコ広場からムラーノ島に行く41番のヴァポレットに乗ると、本島の東の外れを回りこむようにして船が進んでいくが、その際立ち寄るサン・ピエトロ停留所で降りるのが、この教会への近道だ。ラグーナ側から見るとそれほど傾いていないようだが、教会正面に立って横の鐘楼を眺めると、やはりかなりの傾きだ。白亜の塔のたたずまいはとても美しい。教会の中では聖ロレンツォの生涯のエピソードを描いた天井画が迫力十分に迎えてくれる。ほとんど観光客は来ない地域で、住民たちの日常を垣間見ながらゆったりと時間を過ごせる空間でもある。

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サン・マルティーノ教会

 本島ではないが、ブラーノ島のサン・マルティーノ教会の鐘楼も、その傾きが名物になるほど有名だ。さすがに倒壊の危険が増したのか、2007年夏に訪れたら、修復の工事が始まっていた。果たして真っ直ぐな鐘楼に戻せるのか?多分サント・ステファノ教会と同様にこれ以上の傾斜を防止するための工事に留まるのだろうと思われる。最近ブラーノ島に行かれた方、今はどうなっているでしょうか?

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サン・パンタロン教会

 フラーリ教会を出て裏側のサン・ロッコ通りに入ると、サンロッコ同信会の建物が見える。ここはティントレットの“洪水”。ヘンリー・ジェイムスは「四方の壁にここまで天才の作品があふれているところは、どこにもないだろう」と感嘆している。今回は教会巡りなので、ここはパスすることにする。ちょっと小腹がすいたなら、同信会手前の切り売りピザの店で1ユーロのピザをつまもう。同じような店が2軒あるが、いつも行列が出来ている同信会よりの店がお薦めだ。

南西側に出る細い道をすぎると、こじんまりとした教会が見つかる。サン・パンタロン教会だ。月ー土曜日の午後4時から6時までと、短時間しか開いていないのでよほどタイミングを合わせて行かないと入れないが、是非一度は訪れて欲しい教会だ。というのはここには超豪華な天井画があるからだ。

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 これがその天井画。ジャン・アントニオ・フミアーニ作の「聖パンタロンの殉教と神化」だ。だまし絵的手法を使い、天井一杯に描かれている。

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 すこしアップにするとこんな具合。琥珀色で覆われた天井のスペクタクルは圧倒的な迫力で、見上げているうちに自分が押しつぶされそうにも思えてくる。とにかく一度ご覧あれ。ただ、冬場などは一層暗くなるので0・5ユーロのコインを入れてライトを点灯しないと、全く天井に気づかずに終わってしまう結果になりかねないのでご注意を。

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 教会前の小さな橋を渡ると本島でもほぼ一番広いカンポ、サンタ・マルガリータ広場に出る。散歩途中の老人、サッカー遊びをする少年たち、買い物帰りにおしゃべりに興ずる主婦たちなどの姿を眺めながらカフェを一杯としゃれ込むのもちょうど良い広場だ。

 この広場の先には、以前紹介したカルミネ教会が続いている。サン・ポーロ地区の教会巡りはひとまず終了だ。

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フラーリ教会3

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 広い堂内にもう一つのティツィアーノの傑作がある。「カ・ペーザロの聖母」だ。聖母マリアを従来の絵画のように画面中央には配置せず、大胆な斜めのラインで構図した画期的な作品になっている。

 ところで、その絵の左側に立てかけられた細長く大きな金属は何だろうか。地元の人に聞いてみたら、これは不発弾だという。1918年2月、第二次世界大戦の末期に、教会の屋根にこの爆弾が落とされたが爆発せずに、教会と数々の貴重な美術品が奇跡的に助かった。その感謝の意味を込めて飾られているのだそうだ。まさに奇跡の爆弾だ。

 ティツィアーノはペストで死を悟ったときに、この教会への埋葬を望み、その遺志を尊重して今はこの教会に眠っている。その理由は何といっても自らの作品のベストといえる作品が2点もここにあるからに他ならないだろう。

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 その大きな墓のすぐ左側にあるのが、「聖ジェローム像」(アレッサンドラ・ヴィットリア作)。それほど有名ではないが、たくましさ、重厚な表情など、個人的には非常に好きな彫像だ。この顔は、墓にあるティツィアーノの像よりもこちらの方がティツィアーノに似ているという説もある。

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 修道士たちの聖歌隊席も豪華だ。細かい細工を施した木製の席は124席あり、ライトに照らされると渋い光を放って気高い雰囲気が充満する。オリジナルで現存する貴重なものだ。

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 聖歌隊席の列を通り過ぎたところで、最後にもう一度中央祭壇を振り返って欲しい。聖母被昇天の絵全体が席の枠組みの中から浮かび上がるかのように見えるポイントがある。祭壇上部から降りそそぐ外光に包まれ、すべての視線がこの絵に集中するように演出されているようだ。やはりこの絵は、この場所が最もふさわしい。

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フラーリ教会2

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 フラーリ教会はティツィアーノだけではなく、美術館顔負けの美術品の宝庫だ。左礼拝堂にある祭壇画「祝福を与える聖マルコ」は、バルトロメオ・ヴィヴァリーニの作品。ひげを蓄えた貫禄十分の聖マルコは言わずと知れたヴェネツィアの守護聖人だ。

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 また、右側にある聖具保管室には、ジョヴァンニ・ベッリーニの「聖母と聖人たち」が飾られている。ティツィアーノより少し前の時代に活躍した代表的な画家で、この絵でも彼特有のあの優しい中にも気品を漂わせた聖母と対面することができる。本物では両サイドの聖人たちや聖母を支える天使たちの豊かな表情もじっくりと鑑賞できる。

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 聖具室付近にあった像は、エンリコ・ダンドロ。13世紀、共和国の名総督(ドージェ)としてコンスタンティノープル攻略や、ヴェネツィアと東地中海の商業要地を結ぶ交易路を完成させた最も有名なドージェの顔を、私はここで初めて拝むことができた。

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 主祭壇右、フィレンツェ人の礼拝堂にあるのはドナテッロの「洗礼者ヨハネ」(中央)だ。フィレンツェのバルジェッロ美術館に飾られている彼のダビデ像は、ミケランジェロのダビデ像に匹敵するくらいに美しく、個人的には超お薦めの彫刻だが、こちらの木製像も魅力的。ドナテッロ作品はヴェネツィアではおそらくここだけしかないはずだ。

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フラーリ教会1

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 サン・ポーロ広場から西に数分歩くと、小さな運河をはさんでサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会の大きな建物が見えてくる。最近は教会の正面ではなく左手奥から入場するようになっている。

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 そこから入ると、左側中央祭壇に、ティツィアーノの傑作「聖母被昇天」の大きな絵が燦然と輝いている。

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 絵は上中下 の3段階の構成になっており、下段に聖母を見上げる使徒たち群衆、中段に神に召される聖母マリア、上段にマリアを迎える神が描かれている。緋色の衣装にブルーのマントをひるがえらせ、憂いをたたえた目を見開いて上空を見つめるマリアの表情は、新たな世界へ旅立つ恍惚と不安を併せ持つ複雑でかつ豊かな感情がにじむ。後に絵画王と称されたティツィアーノ20代の力作だ。

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 ここに描かれたマリアには、ルネサンス以前のチマブーエらの絵に見られる神格化された聖母の姿はない。ジョット以来変容してきた、体温を持つマリアがそこにいる。しかも、人間として持っている心の動きを抑えきれずに表出するその感情が、見るものの心に同調して響きあうからこそ、深い感動を生み出すのだろう。

 和辻哲郎はその著書「イタリア古寺巡礼」でミケランジェロの「聖家族」を「もう慈悲の女神を描くような気持ちは少しもない。人間のうちの気高いもの、深いものを捉えることだけが狙いである」と評した。ルネサンスから明らかに聖母の描き方は変わった。その最中にいるティツィアーノもまた例外ではなかった。

 上中下に分かれた絵の構成は、過去、現在、未来の時空間を表していると見てもよいのではないだろうか。そして、神としてのマリアではなく運命の嵐に翻弄されながらも自らの使命を全うする一人の女性の激動の瞬間を、見事に表現した絵画に思える。保管上の理由などから一時アカデミア美術館に移されたが、約1世紀後の1945年に改めてこの教会に戻されたとのこと。やはりあるべき場所にあるのが一番美しい。

 ある時、スラヴァの歌うカッチーニの「アヴェマリア」をMDで聴きながらこの絵を見つめているうちに、とめどなく熱い思いが胸のうちにあふれてきたことがあった。

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サン・ポーロ教会

 少し番外編が続いたが、またヴェネツィアの話に戻ろう。教会巡りの第2シリーズで、島中央部サンポーロ地区を歩こう。

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 まずは地区の名称にもなっているサン・ポーロ教会に入ってみる。バポレット停留所なら「サン・シルヴェストロ」で降りて数分の場所だ。サリザーダ・サン・ポーロの通りは狭いながらも商店が並び、賑やかな通りだが、教会に一歩足を踏み入れると落ち着いた静かさの中に身を置くことができる。木製の天井は「船の竜骨」式といわれる様式で造られている。これはサント・ステファノ教会などと同じ様式だ。

 心引かれたのは本堂部分より、入って左側にある「十字架小礼拝堂」のジャンドメニコ・ティエポロの連作だ。彼はジャンバティスタ・ティエポロの息子。キリストがゴルゴダの丘で処刑されるまでの道程を14枚の油絵で描いた「十字架の道行」が飾られている。20歳のころに描いたこの連作で一躍世に認められた記念すべき作品だ。十字架を背負って苦行の行進をするキリストの姿が描かれるが、その主役より、右側のピンクの服を着た婦人の射るような鋭い視線が強烈な印象を与えている。

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 もう一枚。処刑されたキリストに取りすがるのは、母マリアとマグダラのマリアか。悲痛な叫びが聞こえてきそうな情景だ。

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 教会を出るとすぐに、本島の中でもかなり大きいスペースを占めるサン・ポーロ広場がある。とても開放的な空間で、夏場などはコンサートが開かれたりする。広場全体を撮った写真が見つからなかったので、たまたま居合わせたワンちゃんのカットでご了承を。ここで店を出す屋台で1ユーロのグラニータ・リモーネ(レモンのシャーベット) を買って食べるのが密かな楽しみだった。

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