« 2009年11月 | トップページ | 2010年1月 »

2009年12月

ラヴェッロ2 アマルフィ海岸

Pa075215

 ドゥオモへ戻る途中、海岸線をきれいに見通せる小さな公園に出た。見事な絶景。

Pa075249

 その公園には、こんな看板が立っていた。イタリアの女優ジーナ・ロロブリジーダが出演した映画が、ここでロケをしたということだ。確かに左下の写真の背景はこの場所から見える景色そのものだった。こんな景色なら映画に使いたくなるのも当然といえそうだ。

Pa075258

 さらに、ドゥオモの横の住宅の壁には上のような案内板が掲げてあった。「ビート・ザ・デビル」という映画をこの家を拠点として製作した、といった内容だ。後で調べてみたら、日本でのタイトル名は「悪魔をやっつけろ」。ジョン・ヒューストン監督、トルーマン・カポーティ脚本、ハンフリー・ボガード、ジーナ・ロロビロジーダ、ジェニファー・ジョーンズなど、そうそうたる俳優が出演した映画だった。残念ながら私はこの映画は見ていません。それにしても、最後の一行、「ロバート・キャパが写真を撮った」というのは、本当だろうか?

Pa075257

 もう一つの発見。この家のある通りは何と「ワーグナーの小道」と名付けられていた。

Pa075261

 ワーグナーはこの地が気に入り、長期間滞在して歌劇「バルシファル」を作曲した。今では毎年7月にワーグナー音楽祭がここで開催されるという。なだらかな坂道を歩いていると、どこからともなく心地よい音楽が聞こえてきそうな、印象的な道だ。

Pa075243

 そして別の場所には上方の畑からトマトが道にはみ出しているという、とてものどかな光景にも出会った。

 ただし、ここを訪れる際の注意点が一つある。それはバスの運転手。急傾斜、急カーブだらけの道なのに、運転手君は片手ハンドルで携帯を握り、あちこち電話をし放題。さらに角に立っていた女性にクラクションを鳴らしてごあいさつ。しばしばブレーキを踏むものだから、乗客は椅子にしがみついていないと超危険な状態だった。あれでよく事故を起さないものだと、逆に感心してしまうくらい。まあ、この運転手に当たらないことを祈るしかないかもね。

 今年はこの回で終了です。コメントは少ないのですが、アクセス回数は順調に増えています。訪問の皆様、有難うございました。これからもイタリアを中心にヨーロッパ情報を少しずつでも発信していく予定です。今後ともよろしくお願いいたします。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

ラヴェッロ1 アマルフィ海岸

Pa075235

 アマルフィの海岸通りからバスに乗って約30分、標高350mの高台に登ったところにラヴェッロの町がある。はるかな山並みと眼下に望む地中海の眺めを両方楽しめる楽園だ。

Pa075224

 バス停のすぐ前にあるトンネルをくぐるとドゥオモ広場だ。

Pa075227

 陶器の土産物店などが周辺にいくつもあり、のどかな雰囲気に包まれる。

P1012284

 ドゥオモを背にして西側に広がる山並みの風景は、まさに大自然の懐に抱かれるかのような安らぎを感じさせるものだった。

Pa075216

 広場から北に延びる小道をたどっていくと、右側にはアマルフィ海岸の風景がくっきりと見えてくる。その中腹には何軒ものヴィラが建てられている。裕福な人たちをこの地に呼び寄せる魅力を実感することが出来る風景だ。

Pa075232

 住家の表札は、こんな可愛いセラミック製。

Pa075263

 道すがら見つけたブドウ畑。実はこの日の夜アマルフィのレストランで白ワインを頼んだら、「これがおいしいよ」と出してくれたのがラヴェッロという名前のワイン。きりっとした辛口の味わい深いものだった。まさにここの土地で作られたワインだ。ボンゴレスパゲッティも最高においしかったし、それだけに思い出に残る夕食になった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アマルフィ4

Pa105599

 イスラムの意匠を強く印象づけるドゥオモの夜景は、かなりエキゾチックだ。

Pa075093

 隣町・ラヴェッロから戻ったのは、もう日の暮れる頃だった。バスを降り、ふと海側を見やると、何やら白いものが動いている。よく見ると、それはウェディングドレスだった。海辺に長く伸びた堤防の先端付近に新婚カップルが並んで、記念撮影をしている。まさにこの日にドゥオモで式を挙げたカップルだった。イタリアでは本当によくこうした光景に出会ってしまう。

Pa075112

 幸せそうなカップルに見とれているうちに、陽は急速に傾き、茜色が空を覆って行く。

Pa075101

 ホテルに戻ろうとドゥオモ広場に来たら、ドゥオモの上空にもピンクの雲が広がっていた。

Pa105580

 そこで予定を変え、広場でカフェを一杯。イタリア語だけでなく、ドイツ語、フランス語も飛び交うコスモポリタンな場所だ。

Pa105595

 「どこから来たんだい?」「日本から」「ああ、私はミラノから。いつか日本にも行ってみたいなあ」・・・ちょっとした会話を楽しみながら更けていくアマルフィの夜は、ゆったりと心和む時間だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アマルフィ3

Pa075281

 アマルフィの中心広場。ドゥオモを見上げながらカフェを楽しむ幸せな時間を過ごすことが出来る場所だ。

Pa075170

 海岸通りにあるバスの発着所に降りると、アマルフィ海岸が描かれた大きなセラミックの地図が目に入る。その横のポルタ・デッラ・マリーナ(海の門)というアーチをくぐれば、ドゥオモ広場に到着する。

Pa075182

 ドゥオモに入ってみた。開館直後であまり人もいなかったが、何やら撮影をしているクルーがいる。よく見ると日本人だ。聞いてみると、TBSの「世界遺産」のクルーで、来年一月の番組で放映予定だとか。内部は10世紀の建築で、18世紀にかけて何度か改築されたものだという。

Pa075176

 入口脇にこんなかわいい額が掲げてあった。これは今年この地区で生まれた子供たちの名前が書かれた感謝のシールだという。数えてみると31人。ここも少子化社会になっているようだ。

Pa075199

 ドゥオモ横にある天国の回廊と名付けられた場所。ロマネスク風の回廊はドゥオモとはまた違った雰囲気の、尖塔型アーチが連続する不思議な空間だった。

Pa075208

 そこから地下に入ると、意外にゴージャスな装飾に満ちた場所に通じていた。

Pa075296

 再び外に出た。ドゥオモと広場を繋ぐ大階段は、聖堂の威厳を高めるために仕掛けられた装置のようだ。はるか上方を見上げなければドゥオモは視界に入らない。下界と天界とを結ぶ(隔てる?)役割を果たしていたかのようだ。ただ、現在ではこの階段が旅行者がパニーノをほおばりながら休憩する場所になったり、新婚カップルの記念撮影の絶好のロケーションになったりしている。sposiとriposoの空間といったところだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

アマルフィ2

Pa075122

 アマルフィ到着の翌朝、ホテル目の前の海岸通に散歩に出た。昼は暑いくらいだったが、さすがに早朝はセーターが欲しいくらいの冷気が漂っている。日の出前、水平線に赤味が差して上空の空の青とグラデーションを作る時間帯が、とても好きだ。

P1012246

 次第に赤味が増し、空と海の両方が一体となったように赤く染まっていく。

P1012243

 太陽と反対の西側に目をやると、まだ深みのある藍色の空をバックに、街灯の明かりがあざやかに輝いていた。

P1012233

 間もなく日の出。アマルフィ海岸が最も美しく映える瞬間だ。

P1012396

 すっかり日が昇り、太陽が雲に隠れながら幾筋かの光線を地上に投げかけていた。

P1012225

 昼近くの時間帯では、地中海の色はまるで黒色かと思うくらい、こんなに濃い青に変化していく。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

アマルフィ1

Pa075157

 しばらくスペインが続きましたが、今回はイタリアに戻ります。南イタリアの世界遺産の一つアマルフィです。

 アマルフィに着いたのは10月の初旬、さわやかな風の吹き抜ける快晴の日だった。まず出かけたのは、街の中心部を見下ろす絶景ポイント。ただ、ここは急勾配の傾斜地に造られた街なので、どこに行くのにも坂道を上る必要がある。しかも狭く展望の利かない階段だらけで、まさに街中が迷路状態だ。事前に調べておいた通り、ドゥオモ左横の細い道を上ってようやく展望の開けた場所にたどり着いた。

Pa075146

 そんな時、買物袋を提げたご婦人とすれ違った。彼女は私に気さくに声をかけてくれた。「よい眺めでしょう。ここからの景色は私たちの宝なのよ」「本当にそうですね。でもここにたどり着くのに、ちょっと疲れました」「あら、エレベ-ターもあるのよ」「えー、本当ですか?それなら帰りはそれを使おうかな」「だけどね、ずっと前から故障中なのよ」。それがイタリア。

P1012249

 かつてはコンスタンティノーブルなどとの地中海交易で莫大な富を築いたアマルフィ。ヴェネツィアなどとも肩を並べる海洋国家だった。その象徴ともいえるドゥオモとこの鐘楼は軽快な幾何学模様のタイルを用いた豪華な建築物だ。

P1012260

 タイルはあのスペインのマジョルカ焼だという。イタリアの建築物は基本的には石の文化だが、それだけではなく先進的にセラミックを取り入れた珍しいもの。これも冨の蓄積があったからなのだろう。

P1012264

 海に向かって一つ大きく深呼吸。肺の中に地中海の新鮮な空気を沢山入れてあげよう。

Pa105574

 こちらは別の日、ポジターノからの帰り道に反対側から見たアマルフィ。かすかに靄がかかっていた。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ガウディ カサ・バトリョ8

P1010849

 屋上の夕暮れは、次第に幻想の世界に入って行きます。日が沈み、空が茜色に染まる頃にはオブジェはシルエットとなり、まるで神に祈りを捧げる使徒たちの列と化したかのように荘厳な光景が展開されます。

P1010857

 そして、使徒たちの中心に鋭い剣を思わせる月がピンクに染まって・・・

P1010868

 下界はまだまだ雑踏の中。二両連結のバスが通り過ぎていきます。

P1010899

 9月下旬の午後8時前、かすかに残っていた夏の名残を、地中海がもたらす一陣の風がふっと吹き飛ばし、次の季節が確実に迫ってきていることを感じさせてくれました。

P1010938

 バトリョの閉館時間は午後8時。帰りの階段に貼られた市松模様のタイルが、照明にまぶしく反射しています。

P1010948

 グラシア通りに出ると、ライトアップされた外観が、金色の衣をまとって燦然とそびえ立ち、改めてこの建築の魅力に引き付けられる思いでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ガウディ カサ・バトリョ7

P1010808

 カサ・バトリョの屋上には竜がいます。というか、屋上のオブジェが、私にはまるで雄々しくうねる竜の背中のように思えるのです。

P1010839

 この建物は全体が曲線で構成された特異な空間です。そのような芸術は、例えばアール・ヌーボーなども同様ですが、ミュシャのポスターやエミール・ガレのガラスなどは植物の曲線がモチーフとして使われています。対して、ガウディの曲線は、動物系の匂いを濃厚に漂わせています。恐竜の骨格とでも言えばいいのでしょうか。言葉の矛盾になってしまうかもしれないけれど、「硬い曲線」が主張します。

 この写真で連想してしまうのが、背だけを覗かせたドラゴン。その稜線が丸い筒を繋げて形成されているように見えるのです。

P1010810

 そして、さらに特徴的なのが屋根瓦。屋上部分のアーチを覆うために特別に焼かせたオリジナルの瓦が自由奔放に(つまり不規則に)並べられています。これはどう見ても“うろこ”。

P1010927

 そのうろこが、夜になりライティングが始まると、まるでしずくが垂れているかのような幻想的な光景を演出します。

P1010929

 これほど攻撃的な瓦なんて、私にとっては全く初めて出会った姿でした。

P1010934

 すっかり夜になって、濃い藍色の空をバックに、ドラゴンの背中が浮かび上がりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ガウディ カサ・バトリョ6

P1010852

 今回は屋上の柱たちのオンパレードです。破砕タイルを張り付けた大きなオブジェがいくつも屋上に立ち並んでいます。ギザギザの中にも全体としてはつるつる感があり、優しささえ感じられます。

P1010815

 こちらが反対側。次第に日が傾いて、雲がピンクに染まり始めてきました。

P1010822

 この模様は何を表しているのでしょうか。色の配合はコロニア・グエル教会の窓ガラスにも共通するものがあるそうです。

P1010797

 夕日を浴びて、本来よりさらにピンク系の色彩になって行きます。

P1010860

 夕焼けの空から一筋のラインが・・・。これは流れ星?

P1010874

 すっかり日が沈んでしまった後、オブジェの上方に三日月が昇って来たのに気づきました。ガウディのオブジェに囲まれて、屋上からバルセロナの景色を眺め、時間の移り変わりを感じる極上の瞬間が、ここにありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年11月 | トップページ | 2010年1月 »