« バチカン 2 サンピエトロ大聖堂 | トップページ | バチカン 4 バチカン博物館の名作 »

バチカン 3 バチカン博物館のラファエロ

Pa135963

 バチカン博物館は絵画館、エジプト博物館、クレメンティーノ美術館など20もの分野に分かれている。とても紹介しきれないし、すべてに入ったわけでもないので、今回は絵画館とラファエロの間の一部を紹介しよう。

 まずは上の絵「アテナイの学堂」のある場所から。ここはラファエロの間と呼ばれ、4つの部屋から構成されている。もともとは法王の広大な宮殿だった博物館に、当時のユリウス2世がラファエロに命じて壁画を描かせた部屋。25歳でこの仕事を始めたが、完成する4年前に37歳で亡くなり、あとは彼の弟子たちによって補われた。ただ、最初に着手した署名の間は全面的にラファエロが描いたものとされ、その代表作が「アテナイの学堂」だ。

Pa135972

 この絵には50人を超えるギリシャの賢人たちが描かれている。また、ラファエロの時代の人たちを想定して描いた人物もあり、とても興味深い内容になっている。この絵の中央左はプラトンで、天を指さし、知識の源・思想が天に由来すると示唆し、右の人物はアリストテレス。確実な実在の証として、手を大地に向けて広げている。そして、プラトンは当時の天才レオナルド・ダ・ヴィンチの姿を使って描いている。

Pa135968

 その二人の下方に座り込んでいるのは、ヘラクレイトス。これはミケランジェロの姿を模している。当時、ミケランジェロはシスティーナ礼拝堂で旧約聖書の物語を天井に描いていた。ラファエロの部屋からわずか数十メートル。ミケランジェロは制作現場に部外者の立ち入りを禁止していたが、彼がフィレンツェに一時帰郷しているときにラファエロは礼拝堂を見て感動したといわれる。そして尊敬の証として、最初下絵には描かれていなかったヘラクレイトスをミケランジェロに模して書き加えたという。目と鼻の先に偉大な芸術家の制作現場があれば、誰だって見たくなりますよね。

Pa135966

 右下方向でコンパスを持っているのは幾何学の創始者ユークリッド。

Pa135970

 左下、本を開いているのが、定理で有名なピタゴラス。また右上の横向きはげ頭がソクラテスという。(中央の白い服の女性を覚えておいてください)

Pa135980

 右端から2番目にこちらをじっと見つめる男性はラファエロ本人だ。

Pa135981

 このようにギリシャの多彩な賢人を華やかに配して、一方でルネサンス期の3大巨匠を一堂に会した何とも欲の深い絵だ。

Pa135974

 アテナイの学堂の向かい側にある絵画は「聖体の論議」。上方中央にキリスト、その左に聖母マリア、右に聖ヨハネが配された壮大な絵だ。

Pa135977

 その絵の左下側に立つ青い衣をまとった女性は、どこかで見たことがある。よくよくアテナイの学堂を見返してみたら、あの白い服の女性と瓜二つではないか。

 帰国後に調べてみたら、「学堂」のほうの女性はフランチェスコ・マリア1世という説と同時に、ラファエロの愛人だったマルガリータという説があることを知った。マルガリータはローマ・トラステヴェレのパン屋の娘で、ラファエロの作品「ラ・フォルナリーナ」や「ヴェールの女性の肖像」のモデルとしても知られている。確かに、どちらかというと「ヴェールの女性」にはかなり似ている。マルガリータ説が正しいなら、ラファエロは自らの愛人の姿を法王の宮殿の絵に、またキリストや偉大な哲学者たちの絵の中に忍び込ませたということになる。ラファエロさん、やってくれますねえ!

Pa135927

 絵画館にもラファエロの作品は飾られている。これは「キリストの変容」代表作の一つだ。

Pa135925

 この絵も、見ているうちにピンクの服の女性がマルガリータに見えてきた。

Pa135922

 「フォリーニョの聖母」

Pa135931

 「聖母の戴冠」。この3枚は絵画館の初めのほうにまとめて並べてあった。ただ、このスペースはかなり照明が落としてあり、ちゃんと見ることが難しい感じだった。

|

« バチカン 2 サンピエトロ大聖堂 | トップページ | バチカン 4 バチカン博物館の名作 »

バチカン市国」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1035791/36117522

この記事へのトラックバック一覧です: バチカン 3 バチカン博物館のラファエロ:

« バチカン 2 サンピエトロ大聖堂 | トップページ | バチカン 4 バチカン博物館の名作 »