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2010年11月

ブルージュ 白い教会と黄金の彫刻

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 午後、一旦ホテルに戻って休憩した後、夜の街歩きに出かけました。ホテル近く、コンサートホールのあるザンド広場にはこんな現代的な彫刻群が。

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 マルクト広場にも灯りが灯った。左から5番目の三角屋根の店は老舗のレストランで、ヘップバーンも来店したことがあるとのこと。ここで生涯初めてのウサギ料理を食べました。ちょっと甘めのソースで私としては醤油がほしかったなあ。

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 もう一つ先、ブルグ広場の聖血礼拝堂。後ろ側に鐘楼が見えますね。

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 この広場の公文書館などがライトアップされていました。屋根の上の像は正面は正義の象徴、右はアーロン、左はモーゼの像だとか。

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 隣の市庁舎の壁面には5層6列にわたって彫像のレリーフが並んでいました。聖書に登場する人物、歴代フランドル伯などだそうです。15世紀までに完成したのですが1792年にフランス軍によって破壊され、現在の浮き彫りは19世紀後半のものとのことでした。

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 帰り道、家並みの向こうにミケランジェロの像のある聖母教会の塔が見えました。

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 そして正面には救世主大聖堂の白い巨大な建物がにょっきりと姿を表わしました。ブルージュ最古の教会で、中世のゴシック様式です。まるで夜の世界を支配するかのような偉容に感じました。

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 間近で見ると、さらに白さが目立ちます。昼はそれほど美しさを感じなかったのですが、夜空とのコントラストが一層その存在感を際立たせるのでしょうか。

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 ザンド広場に戻ってきました。ライトアップされた現代彫刻群は黄金に輝いて広場を占領しています。

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 こんな奇抜な彫刻が、妙に古都の広場にマッチしているように思えました。そういえば、ここにあるグルーニング美術館にはマグリットやデルヴォーなどベルギーのシュルレアリスムの巨匠たちの作品が収蔵されており、意外な楽しみを見つけることが出来ました。お勧めです。

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ブルージュ周遊 愛の湖、ヘップバーン、ミケランジェロ

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 翌日は朝一番に世界遺産のベギン会修道院に行きました。木立の奥に見える白いひっそりした建物の風景は、まるで映画のワンシーンのよう。実際にオードリー・ヘップバーンの尼僧物語はここでロケが行われたそうです。

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 修道院のすぐ南側に「愛の湖」と呼ばれる公園がありました。この付近は中世では北海とつながる港だった場所で、以前は貿易港として活況を呈していました。今では水の都の静けさを体現する所になっています。繁栄を謳歌した都市の面影はもう見られません。

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 陽が差してきました。水面の波紋と太陽のきらめきが美しい。水の都の幻想的なひととき。またもヴェネツィアを思い出してしまいました。

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 運河クルーズに参加してみました。水上から見たブルージュの歴史的建造物群です。

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 遊覧船の乗り場付近の家の壁。いかにもフランドル風な国旗をかたどった木靴の陳列がおもしろいですね。日本の日の丸もありました。

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 聖母教会に向かう途中、こんな看板を見つけました。月ですね。この街では道に突き出るような大きめの看板をよく見かけましたが、デザインの斬新性、大きさなどでこの看板が一番印象的でした。

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 聖母教会。荘厳な主祭壇の中央にはミケランジェロの聖母子像が祭られています。ベルギーにある唯一のミケランジェロの作品です。

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 本来はシエナのカテドラルに飾られる予定だったのですが、1506年にベルギーの商人が購入してブルージュに持ってきたとのこと。バチカンのサン・ピエトロ大聖堂にあるピエタ像の後ほどなくして造られたカラーラ産大理石の像。初期のほっそりした優雅なマリア像です。本物をじっと見たら、確かにどことなくピエタとマリアの面影が似ていましたよ。

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 教会の北側を歩いていたら、こんな素敵な壁絵を見つけました。アーレンスハイスという館で、2階は英国人画家のフランク・ブランギンの美術館になっています。

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 中に入ってみたら、こんな優雅な階段がありました。

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 ほぼ街を半周してマルクト広場に戻ってきました。ランドマークの鐘楼が青空に映えています。

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お隣のブルグ広場には市庁舎と聖血礼拝堂が並んでいます。

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 聖血礼拝堂は、12世紀に十字軍に参加したフランドル伯がコンスタンチノープルから持ち帰った「聖血の遺物」が祭壇に収められています。ただ、開帳は決められた日だけで、私たちは見ることが出来ませんでした。

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ブルージュ 北方のヴェネツィア

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 アントワープから電車で1時間程度で水の都ブルージュに到着します。13世紀には北海と水路で結ばれたこの街はハンザ同盟の拠点都市、西ヨーロッパ随一の貿易港として毛織物交易などで繁栄を誇りました。しかし、15世紀には水路に泥が堆積して浅くなり、商船の通行が不能になってしまいました。このためブルージュはいつしか時代から取り残され歴史の舞台から姿を消しました。ただ、まさにこのために現代まで中世の景観をそっくりとどめた貴重な街として再び脚光をあびることになりました。いくつもの運河に囲まれたたたずまいは「北方のヴェネツィア」と形容されます。

 ブルージュに着いたのは午後遅め。とりあえず街の中心・マルクト広場に行ってみました。そのシンボルが高さ88mのこの鐘楼。石造りの堅固な塔は世界遺産になっています。

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 鐘楼の横にあるのが州庁舎。正面に尖塔が立ち並ぶネオゴシック様式だが、実は19世紀の建築とか。

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 近くで夕食を摂った後、マルクト広場から南東側のウォーレ通りを散策。間もなく運河を渡る橋に到着しました。ここから眺める風景はまさに水の都の典型的なものでした。南西側には聖母教会の塔が水面に映ってヴェネツィアの光景かとみまごうばかり。

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 後ろを振り向くと、こちらも見事な運河の光景。中世の家並みが鏡のような水面にきれいにシンクロしていました。

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 聖母教会の尖塔は通りの合間からもしばしば顔を出します。

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 ホテルの看板も、夕闇のアズーリをバックに芸術品のように輝いていました。

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 ライトアップされた黄金に輝く鐘楼を、「猫屋」という看板の猫が見上げていました。ただ、この店はなぜか洋服屋でしたが・・・

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 マルクト広場に戻りました。広場北側の家並みは典型的な切妻屋根。この辺はヴェネツィアとは全く違いますね。

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 広場中央には1302年フランスからの独立を目指して市民蜂起を指導した二人の市民の像があります。バックの州庁舎とのコントラストがなかなか。

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 鐘楼をバックに休憩する馬車の姿が、いかにも中世の都市らしく、しばし見とれていました。

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アントワープ 大聖堂とフランダースの犬

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 ノートルダム大聖堂は16世紀フランドル地方最大のゴシック教会として建てられ、現在は世界遺産に登録されています。鐘楼の高さは123mあります。

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 入ってみて驚くのが、堂内空間が同時代の他の教会と比べて格段に明るいこと。壁や天井の白い輝きは日ごろの丁寧な管理の賜物なのだろうと感心させられます。この場所が主祭壇です。

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 上の写真の中心部分にある絵画のアップ。ルーベンスの「聖母被昇天」です。17世紀の作品ですが、ルーベンス特有の躍動感が絵画全体に満ち満ちていますね。ヴェネツィア・フラーリ教会のティツィアーノの「聖母被昇天」ではマリアの悲壮感漂う表情が印象的ですが、ルーベンスになるとマリアは楽しそうに天に昇って行きますね。

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 主祭壇の両側に「キリスト昇架」と「キリスト降架」が並んでいます。向かって左側が「昇架」の方。キリストが十字架にかけられようとする情景を描いています。三連画の中心部分だけで縦4・6m、横3・4mという大きな絵画です。劇的な場面を得意とする彼の面目躍如といった感じですね。この絵は当初、前回紹介したステーン城のあるステーン広場にあった教会のために描かれたのですが、1816年にこちらに移されたものです。

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 右側にあるのが「キリスト降架」。「フランダースの犬」の主人公ネロとパトラッシュは様々な苦労の末にクリスマスにこの教会に到着します。そして念願だったルーベンスのこれらの絵を稲妻の光で見ることが出来、間もなく天に召されて行きました。そんな悲しくも美しい最期が、この教会を舞台に展開されています。

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 クリスマスはもちろんキリストの誕生日。そしてここにある絵画はキリストの最期の場面を描いたもの。作者は、受難の連続だったキリストの生涯とネロの最期とをこの教会によってリンクする形で作品を終結させたのでしょう。ただ、フランダースの犬はイギリスの作家の作品で、現地の人にはあまり知られていないとのことです。

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 ステンドグラスの美しさもここの教会の特色でしょう。前の時代まで主流だったロマネスク建築が厚い壁と小さい窓の建物だったのに比べて、重力を分散させるフライング・バットレスの導入によるゴシックに変わったことで大きな窓が取れるようになり、壮麗なステンドグラスと明るい室内が実現出来ました。

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 これだけ遠くから見ても人物たちの動きがわかりますよね。

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 まさに「白亜の殿堂」といった感じの美しさです。

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 彫刻も多彩です。白大理石の聖人とエンジェルの像。こんな組み合わせは珍しい。

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 こちらはおなじみのモチーフ・聖母子像。この聖母は慈悲の心を体現するようなおおらかな雰囲気を持っています。実は、この像のレプリカが日本にあります。あの阪神大震災の時、神戸の六甲カトリック教会も大きな被害を受けました。その教会に以前ベルギーの司祭がいたことがあり、この司祭の甥がアントワープの市会議員として震災を視察に訪れ、被災した人たちへの励ましと復興の願いを込めて、震災翌年にレプリカを寄贈したとのことです。意外なつながりがあるものですね。

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 こんなモーゼのような像もありました。次回はブルージュに行きましょうか。

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アントワープ 華麗な広場とルーベンス

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 デン・ハーグから南下して行くと、ほどなく国境に達し、そこから30キロも走ればベルギー北部の都市アントワープが見えてきます。この街はバロック期の巨匠ルーベンスのふるさとであると同時に「フランダースの犬」の舞台となったことでも、日本人にはなじみ深い港町ですね。

北海に流れ込む大きな川、シュヘルド川のほとりにはステーン城という砦のような城郭がそびえます。今は海洋博物館になっているようです。

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 中心部につながる通りは華麗な建築物が並び、豊かな歴史をほうふつとさせますね。中央に見えるのがノートルダム大聖堂。

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 市庁舎のあるグローテマルクトという広場には、こんな巨人の手を投げようとしている青年の像があります。青年はブラボーという古代ローマの兵士。シュヘルド川にすむ悪人の手(ant)を切り取って、投げた(werpen)という伝説からアントワープという地名が名付けられたと、いろいろなガイドブックに記載されています。

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 でも、本当の由来は桟橋に停泊する(aen de werpen)という意味だと、聞いたことがあります。

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 市庁舎の広場にはたくさんのレストランやカフェが出店を出していて、まるでお祭りのような賑やかさ。周囲の建物も優雅ですよね。

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 ここで観光馬車に乗れば、ギルドハウスの屋根部分もちょっと近づいて観察できるかも。

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 右手の道をちょっと進むと、もう一つの中心地フルン広場に行くことが出来ます。俯瞰すると建築様式もさまざまな塔が林立しています。

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 ど真ん中にあるのがルーベンスの像。16世紀から17世紀にかけて画家としてだけでなく有能な外交官としても活躍したルーベンスは、この街の宝。生涯で2000点もの油彩画描いたといわれますが、この当時は多くの画家が工房を持ち、たくさんの弟子たちを使っての製作が一般的だったことが、多作の背景にあるようです。でも主要作品にみられるあの雄大な画風はルーベンス独特のもので、好きな画家の一人です。その作品などは次回にお見せしましょう。

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 広場横で、さっきまでパントマイムをしていた大道芸人の男性が休憩してました。友人と世間話でもしてるんでしょうか?

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 大聖堂の横まで来たら、こんな労働者たちの彫刻群がありました。子供たちの遊び場になっているようです。これから大聖堂に入りますが、それは次回ということで・・・。

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デン・ハーグと北海の夕陽

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 デン・ハーグはデルフトからトラムで10分程度。オランダの中ではアムステルダム、ロッテルダムに次いで3番目に大きな都市です。実はここには国会議事堂や内務省などの政府機関が集まる、政治の中心地。ベアトリクス女王の宮殿もここにあります。そして北海という海に面したバラエティに富んだ地域でもあります。

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 前回紹介したフェルメールの代表作を所蔵したマウリッツハイス美術館はここにあります。小じんまりした美術館ですが、「デルフトの眺望」「真珠の耳飾りの少女」の2点を見るために世界中の人たちがここに集まってきます。私たちが行った時はちょうどすいていたため、名画をほぼ一人占め状態でじっくり見ることが出来ました。

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 こちらは国会議事堂。13世紀の「騎士の館」が現在も立派に残って活用されている。

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 この周辺はビネンホフという地区で、政府機関が集中している場所。右側の三角にとがった屋根が内務省、青い円錐状の屋根が厚生スポーツ省、その後ろの白く上昇して行くような屋根が教育技術省だということでした。それにしても国の建物がこんなに斬新だなんて、なかなかないことのような気がする。

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 ベアトリックス女王の住む宮殿近くまで散歩に出ました。途中は心地よい林の散歩道。

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 道の途中に自転車がぽつんと置いてあったのが、妙に風景に溶け合っていました。

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 女王の宮殿の入り口。もちろん、中は見られませんでした。

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 夕食を北海の海岸にあるレストランに食べに行ったのですが、そこで素晴らしい夕陽に出会いました。地中海やアドリア海はなじみの海になりましたが、北海をこんなにじっくりと見たのはこの時が初めてでした。ふと見ると、右端に夕陽を見つめるカップルが・・・・

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 ビネンホフは、夜になるとまた違った顔を見せます。ホフフェイファの池に反射して黄金色に輝く夜の姿は華麗の一語。

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 先ほどの厚生スポーツ省が、夜はこんな風に。

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 マウリッツハイス美術館のライティングが一番 明るかったような印象です。

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 そして、正面に回ると、あのフェルメールの少女がじっと見つめていました。

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フェルメールの街・デルフト

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 先日あるきっかけでフェルメールの話題になったことから、フェルメールの町を紹介しようと思いつきました。

 彼が生まれ育った町・デルフトはオランダの南西部にあります。首都アムステルダムから電車で約1時間。静かで落ち着いた小さな町です。

 駅から中心部のマルクト広場に向かって歩くと、運河にぶつかります。この日はとてもよい天気で抜けるような青空が広がっていました。

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 そこから10分もかからずにマルクト広場に到着。ここにある市庁舎は窓を覆う鉄製の雨戸が赤い色に染められて、美しいアクセントになっていました。

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 向かいにある新教会(とは言っても14世紀の建物だけど)は高さ108mの高さを誇り、町のどこからでも見渡せます。正午にはカリヨンの音色が鳴り響くとのこと。

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 広場横の通りはデルフト焼きやクラフトなど工芸品に関する店が多かったような印象でした。

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 その中で、開店準備をするレストランのお嬢さんたちの甲斐甲斐しさが魅力的だったので、ついシャッターを・・・

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 特に黒板に今日のメニューを書き入れる彼女のイヤリングが気になって。

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 あっという間に旧教会に到着しました。ここはフェルメールも眠る由緒ある教会。13世紀の建設で運河に面してすっきりとたたずんでいます。

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 さあ、フェルメールの話に入りましょう。彼は17世紀のデルフトに生まれ、生涯をこの町で過ごした画家。30数点しか作品を残さずにこの世を去り、世に知られることもなかった。しかし、19世紀になってフランスの美術評論家トレ・ビュルガーによって再評価され、その後一躍脚光を浴びました。彼の代表作の一つ「牛乳を注ぐ女」。

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 その姿を模した像が運河のたもとにありました。でも、いかにもレベルの低い像で、掲載をやめようとも思ったのですが、一種のユーモアと受け止めて、ご覧ください。

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 旧市街を一周した後、新教会に入ってみました。天井の高い清々しい空間です。ちょうどミサの最中だったのですが、ふと思い返せばこの日はイースターの当日でした。イースターのミサにデルフトの教会で出逢えたのも一つの思い出ですね。

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 町を馬車が通ります。まるで中世に逆戻りしたような不思議な感覚。

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 新教会の裏側を運河沿いに歩いて行くと、東門に出ます。ここからの運河の風景は、まさにフェルメールが過ごした17世紀の「デルフトの風景」をほうふつとさせるものでした。

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 右の二つの尖塔の具合など、この作品の風景そのものですよね。中央右寄りの塔は新教会。フェルメールは実風景そのものを写したのではなくて、彼の頭の中で再構築した風景だとのことですが、それにしても現在のデルフトもそうとうに昔の面影を残しているということなのでしょう。

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 そして彼の作品でも一番有名で個人的にも一番好きな作品「真珠の耳飾りの少女」。潤いのある唇、じっと見つめるまなざしの強さ、頭に巻いたスカーフの華麗なラピスラズリの青。どれも吸い込まれるような魅力にあふれています。以前、自分の部屋にこの絵の大きなポスターを飾っていたことがあり、酔って帰って電気をつけたら彼女の顔がワッと浮かび上がってびっくりした思い出もあります。

 町を歩いていると、道の角からこんな少女が顔をのぞかすかもしれないと思わせる、とてもしっとりとしたたたずまいで、こんなところに住んでみたいとも思いました。

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ヴェネツィア散歩 マッジョーレ教会と満月

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 暖かな春の宵だった。特にあてもなく街歩きをしているうちに、やっぱりいつの間にかサンマルコ広場近くに来てしまった。

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 対岸にあるサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会を見ると、ちょうど月が昇ってくるところだ。

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 意外に月の動きは早く、あっという間にマッジョーレ教会の鐘楼近くまで昇ってきた。

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 そして、鐘楼を後ろから通り抜けて教会のクーポラの上に移動して行く。

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 向かって右側への移動とともに、高さも少しずつ高くなって行く。

 そうだ、位置を変えたら鐘楼の天使が月の円の中に納まる瞬間があるかもしれない。

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 懸命に海岸べりを左方面に移動したが、なかなかそんな角度になるところが見つからない。だいぶ歩いてやっと、ヴァポレットの停留所地点でちょうど満月に天使が納まる角度を見つけた。でも、停留所は海に浮かぶ浮きドックの状態なので、グラグラ揺れている。そんな中で望遠を使っての撮影になってしまい、どうしてもピンが甘くなってしまった。

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 しかし、晴れた満月の夜、こんな月と天使の出逢う瞬間に立ち会えたことは、とても深い思い出になった。

 風が出てきた。シャツのボタンを閉めながらふと振り返ると、月はもうずいぶんと高く青白くなり、冴え冴えとラグーナを照らしだしていた。

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