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ホテル装飾、カフカの肖像

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  午後は市民会館付近の街歩きを再開した。会館のすぐ裏側に回ると、「ホテル・パジーシュ(パリ)」がある。正面入り口を縁取る装飾は、他に類をみないほどのファンタジックなものだ。まず、色彩の鮮やかさ。青と緑を基調とした配色は、まるで宮殿を飾るようなあでやかさ。よく見ると、これは絵の具で描いたものではなく、モザイクだった。道理でいつまでも退色しないわけだ。

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 広い通りに面した最上階付近の壁には中世の貴族の絵が3枚はめ込まれている(向かって左の建物。絵を狙って摂るのを忘れていました)。こちらの角はすっきりとしたスタイルが心地よい。国の文化財に指定されている建物だ。

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  作家フラバルは自分の小説の中でこのホテルについて「頭からひっくり返るほど美しい」と書いた。

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 すこし東側にある「ホテル・ツェントラル」も、小さいながらピリッとインパクトの効いたビルだ。

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 2階に女性の顔のレリーフがあり、その頭付近から伸びた木の枝が冠になっている。玄関屋根のアーチもしゃれている。

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 入口にはアールヌーボー風の植物の浮き彫りがあしらわれていた。

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 さらに東に進むと、第一次世界大戦の帰還兵のために設立されたチェコスロバキア義勇軍銀行ビルがある。

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 設立の趣旨に沿って彫られたのであろう、2階部分の義勇軍兵士たちの群像が4か所に配置されている。ヤン・シュトゥルサ作。

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 上半身をクローズアップした造形は迫力十分。その上部には兵士たちを暖かく迎える市民たちの模様も。

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 ガスマスクをした兵士の姿もあり、時代を反映したものとなっている。

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 入口もアール・デコ風。といってもどこか土臭さを残しているところがチェコらしい。現在はチェコ商業銀行になっている。

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 もう一か所、「ホテル・オールドタウン」ロビーに入った。このビルにはかつてフランツ・カフカが勤務していたチェコ保険会社が入っていた。つまり、1900年代前半に彼が毎日通っていた場所だ。ロビーにカフカの像が置かれていると聞いていたので、「写真を撮らせてほしい」とフロントにお願いすると、快く承諾してくれた。

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 ロビー奥に、頭だけの小さな像がひっそりと置かれていた。

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 が、その脇から伸びている階段の鉄製手すりが、カフカを包み込むようにしてらせん状に上昇している。そのコラボが、何ともいえぬ調和を感じさせてくれた。

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 礼を言って帰ろうとしたら、フロントの女性が呼び止めた。何かと思ったら、プラハにあるカフカの記念館など、カフカゆかりの場所を記したパンフレットをプレゼントしてくれた。こんな、ちょっとした心遣いに触れると、旅が思い出深いものになって行く。



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