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パリに光と風を!  オペラ・ガルニエとオスマン大改造

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 今回はパリ・オペラ座、オペラ・ガルニエの紹介ですが、その前に当時の時代背景を振り返ってみましょう。

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 19世紀半ばのパリは、今では想像もできないくらいの不衛生な街だった。セーヌ川に汚物が流され、生ゴミも通りに溢れた。日当たりは悪く、中には街中で豚を放し飼いにしているところさえあって、コレラなどの疫病が蔓延するという惨状だった。

 こうした状態を見かねたセーヌ県知事オスマンは、ナポレオン3世の同意を得て大規模な都市再開発に乗り出す。そのテーマは「パリに光と風を」。無計画に建てられていた住宅の区画整理をして中心部に幹線道路と広場を造る。上下水道を整備し、衛生状態を改善する。建物の高さを一定に保ち、景観を一新する。--こうした改造によって、今の凱旋門からの12本の大通りや主要建築物の更新がなされた。

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 中でも、中心となる広場の核として計画されたのが文化の殿堂・オペラ座だった。1860年のコンペで選ばれたのが、当時35歳のシャルル・ガルニエ。斬新な建築物が着工された。しかし普仏戦争の勃発や資金難などに見舞われ、完成・開場したのは15年後の1875年。すでにその年には、発注者のナポレオン3世はこの世にはいなくなっていた。

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 それでは正面から見て行きましょう。屋根の上にある金色の像は「ハーモニー」の寓意像。その上に見えるのが、竪琴を捧げる音楽の神アポロンです。

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 正面ファザードにもう少し近寄って見ると、7人の人物が並んでいます。この写真だと左がベートーヴェン、右がモーツアルト。つまり偉大な音楽家たちの像です。意外にこの人物群には気付かないのですが、こんな場所での小さな発見もうれしいものです。

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 さあ、中に入りましょう。自由見学は9ユーロで、午前10時から午後5時まで開放されています。入ってすぐに圧倒されるのが、大階段。白い大理石で造られた階段は、一瞬自分が劇の主人公になったかのような高揚感を味わえます。

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 中央階段を上って行くと、光のブーケを持った2体の女性像が出迎えてくれます。

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 広々と開かれた大階段は見事。モーパッサンは、ガラ公演の夜を次のように描写しています。「有名な大階段一杯に妖精の世界が立ち上る。王女のような着飾った婦人たちの列が絶え間なく続き、その首と耳にはダイヤモンドが光を放ち、長いドレスのすそが階段をなめて行く」。

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 天窓の周りには音楽の寓意画が描かれ、ロウソクの光が全体を柔らかく照らしています。

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 正面玄関側の2階にあるのがホワイエと呼ばれる大広間です。壁には金箔が張られ、10個のシャンデリアが広間全体に吊り下げられたネオバロック様式で床もピカピカ。この豪華さはヴェルサイユ宮殿の鏡の間よりも凄いくらいです。

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 天井画は音楽の神アポロンと学芸の神ミューズたちが舞い踊っています。

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 シャンデリアと天井画のコラボに加えて、双子柱がさらに立体感を増す効果を出しています。

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 朝10時のオープンと同時に入館したせいか見学者はそれほど多くなく、ゆったりと豪華さを堪能できました。

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 このホワイエの横にあるベランダに出るとこのようにオペラ広場が真下に見えます。パリ大改造によって造られた、光と風が存分に行きわたる空間です。

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 ファザードの向かって右側にあるガルボーの群像彫刻「ダンス」。今は実物はオルセー美術館に納められ、ここにあるのはレプリカです。

次回は自由見学の目玉シャガールの天井画を見て見ましょう。

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