大聖堂の天井に天使が舞い飛ぶ・ウーディネ
プリタ礼拝堂の隣りに、大聖堂がある。ここは天使の舞う空間だった。
この大聖堂は14世紀にゴシック様式で建てられ、18世紀になって修復がなされた。といってもフランスの巨大なゴシック大聖堂のような周囲を威圧する建築ではなく、割とこじんまりしている。
広場に置かれた花も優しい。
中に入って、思わず「おおっ」と声を漏らしてしまった。主祭壇につながる中央の天井が輝いていて、そこに何かが描かれている。
近づいてよく見ると、描かれているのは天使たち。それも本来の天井だけではなく、さらに付け足された飾り天井がいくつもあり、そのあちこちで天使が飛び回っている。
ここは建物の内部としてではなく、天上に通じる仮想世界として存在する空間になっているように思える。
そして、その中心の彼方にはキリストの待つ別世界がのぞいている。
描いたのはやはりジャンバティスタ・ティエポロ。18世紀イタリアを代表する画家だ。奔放な天使たちが、鳴り響く楽園の調べに乗って舞っているかのように錯覚させる。
右わきの礼拝堂にも天使たちが沢山。
少しアップにしてみよう。どの姿も全く体重を感じさせない。
不思議な妖精のような天使たち。
それに、奇妙に喜怒哀楽の感情が読み取れない。
主祭壇の中心には聖母子像が飾られてあった。
一通り見終わったと思い、ドゥオモの横から入る博物館に行ってみた。そこに受胎告知の像の絵ハガキが置いてあり、「これはどこにあるの?」と聞くと、「主祭壇にあるよ」とのこと。そこで、もう一度ドゥオモに戻った。よく見ると、確かに主祭壇のロウソクの両脇に2体の彫像があった。天井ばかり見ていて気が付かなかったらしい。
右に聖母、左に受胎を告げる大天使ガブリエル。よく見るとこの像も素晴らしい。ウーディネの奥深さを知らされる思いだった。
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コメント
こんにちは~♪
天使たちすばらしいですね!!
本当にそこに存在するかのような立体感と、神々しい色合いですね♪
お写真で拝見していても、わぁ~♪っとなりますから、実際に直接見たら、もっと圧巻でしょうね!
投稿: がーこ | 2012年11月18日 (日) 11時23分
がーこ様
そうですね。天井を見ているうちに自分の体まで浮き上がって行きそうな錯角にとらわれました。こんな絵に出会えるのがイタリアの旅の楽しさですね。
寒くなってきました。どうぞ、風邪など引かれませんように!
投稿: gloriosa | 2012年11月18日 (日) 20時16分