« 降り注ぐ藤の花びらーあしかがフラワーパーク | トップページ | もう一人のミケランジェロがバロックの扉をこじ開けたーフランチェージ教会 »

古代ローマ帝国の象徴 コロッセオと凱旋門

2012_1227_010916pc274915


 今回からローマの教会を中心とした街巡りを始めます。

 第1回は多分ローマで最も有名な古代建築物コロッセオ。「コロッセオが滅びればローマは滅び、その時世界が滅びる」と言われたほど、コロッセオは昔からローマの象徴的な建築であり続けた。

2012_1224_213506pc244102


 ここへの行き方は簡単だ。テルミニ駅からなら、地下鉄B線で2つ目のコロッセオ駅で降りれば、目の前にあの巨大な円形闘技場が現れる。

2012_1227_002610pc274876


 完成はティトゥス帝時代の紀元80年。5世紀の初めに禁止されるまで、ここでは約300年以上にわたって人間と野獣、奴隷同士の殺し合いがエンターテイメントとして展開されていた。円形ではなく楕円形をしており、円周527m、高さ48.5m。

2012_1227_002745pc274881


 一度近くのヴィンコリ教会に来た時に外観だけを遠目に見たが、ライトアップを見たくて出直した。ただ、ちょっと出遅れて、着いた時はもう夕陽が沈みかけていた。

2012_1227_010426pc274903


 北東の部分は2000年の歳月を越えて4階までの外観が残っている。

2012_1224_213632pc244106


 コロッセオのすぐ横にはコンスタンティヌス帝の凱旋門がある。門には至る所に装飾が施されているが、実はその大半は以前の建物の装飾を再利用したものだ。

 例えば、中央アーチの両側に2つずつある円形の浮き彫りは、ハドリアヌス帝時代の建築から流用したものだし、その上部の両側の浮き彫りは、マルクス・アウレリウス帝時代の建築から持ってきたものだという。ただ、寄せ集めなんだけれど、結構バランスの取れたデザインになっているところにはちょっと感心。

2012_1224_213815pc244110


 コンスタンティヌス帝が、キリスト教を異教としていたマクセンティウス帝との戦いに勝った記念として315年にこの門を建設した。同帝はキリスト教を公認した(ミラノ勅令・313年)最初の皇帝としても知られる。

2012_1227_011136pc274921


 同じ凱旋門でも、ライトアップされるとまた違った印象になる。

2012_1227_011308pc274927


 コンスタンティヌス帝は公共浴場や水道施設の修理など都市整備に努めたが、最盛期を過ぎて衰退し始めていたローマについに見切りをつけ、330年、都をイスタンブールに遷都し、自らもローマから去って行った。

2012_1227_012049pc274947


 コロッセオに戻ろう。この柱頭(柱の先端部分)をよく見ると、各階ごとに異なった様式を取り入れている。1階は単純なドーリア式、2階は渦巻き模様のイオニア式、3階は葉っぱの飾りのコリント式、4階はイオニア、コリントの複合したコンポジット式になっている。

2012_1227_011636pc274936


 ライトアップされてコロッセオが黄金色に浮かび上がった。そこだけ別次元のエネルギーを発散しているかのようだ。

2012_1227_012115pc274951


 完成当時はこの外壁は白大理石が張られていたが、その後要塞となったり、別の建築物の建設資材の供給源となってしまったりしていた。本格的な保存策が始められたのは19世紀になってからだった。

2012_1227_011849pc274943


 ちょうどクリスマスシーズンだったので、大きなツリーが設置されていた。

P5052793


 戦士の格好をした人が記念写真を誘い、法外な料金を請求するケースが頻発している。彼らの、日本人観光客へのアプローチは、サッカー選手の名前で呼び止める形が多い。以前は「ナカタ~」だったが、今は「ナガトモ~]になったようだ。

2012_1227_012233pc274955


 帰りがけ、急に強風が吹き始め、嵐のようになった。カエサル暗殺後の混乱を収拾してローマ帝国初代皇帝となったアウグストゥス帝から、帝国が東西に分裂するまでの420年間、ローマは世界の中心であり続けたが、一方では血で血を洗う戦いの歴史でもあった。そのど真ん中にそびえ立つコロッセオ。人と野獣の殺し合いの場であったコロッセオは今でも、やはりローマの不穏な空気を常にはらみ続けているように、私には感じられた。

|

« 降り注ぐ藤の花びらーあしかがフラワーパーク | トップページ | もう一人のミケランジェロがバロックの扉をこじ開けたーフランチェージ教会 »

ローマ・建築、歴史」カテゴリの記事

夕景・夜景」カテゴリの記事

コメント

何度かローマを訪れて目にした、ライトアップされ浮かび上がった
夜のコロッセオの姿には、時代や空間を超えたような
独特の雰囲気を感じました。
gloriosaさんのおっしゃる「別次元のエネルギー」という表現、
ぴったりですね。
ローマの教会を中心とした街巡り、とても楽しみにしています。
ところで藤は、私もやっぱり紫が好きですね。

投稿: hanano | 2013年5月19日 (日) 13時53分

hanano様

 ローマの代表的建築というと、サン・ピエトロ大聖堂とコロッセオを思い出しますが、コロッセオは現在の大聖堂より1500年も昔の建築ですから、それが残っているのはすごいですよね。
 そんな古代建築の前で、面白いものを見つけました。最近日本の漢字をタトゥーにするのがはやっているようなんですが、記念写真を撮っていたある若者の腕にあったタトゥーの文字が「冥土喫茶」でした。変な組み合わせ(笑)!

投稿: gloriosa | 2013年5月20日 (月) 21時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1035791/51663324

この記事へのトラックバック一覧です: 古代ローマ帝国の象徴 コロッセオと凱旋門:

« 降り注ぐ藤の花びらーあしかがフラワーパーク | トップページ | もう一人のミケランジェロがバロックの扉をこじ開けたーフランチェージ教会 »