ユーモラスな小人たちを見つけた・南袖廊ーシャルトル大聖堂⑦
次に南袖廊の像たちを見てみよう。中央扉口右側には5人の使徒たちが並んでいる。ふと足元を見ると、あれ、小さな人たちがいる。
使徒たちの足で押しつぶされそうになりながらも、きょろきょろ周囲を見回している。これまでヨーロッパ各国で見てきた像などでは、通常足元にいるのは聖人たちに退治されて降参する悪者たち、と相場が決まっていた。だが、ここではそうではないようだ。
下の小人たちは、むしろ楽しそうにも見えるし、
わき見をしたり、「君たちがんばれよ」と声援を送っているようにも見える。
きょろきょろと、忙しげでもある。
後で聖堂内に入った時に、この上下関係の意味が明らかになるのだが、ここではただ、不思議な上下関係に気付いたことだけを記しておこう。でも、とってもユーモラス。見れば見るほど笑みがこぼれてしまう。
中央扉口左側にも同様に使徒たちと小人たちがいた。
中央の柱には“美しき神”キリストが、大きな本を持って立っていた。
上部のタンパンにあるのは「最後の審判」。ここで人々は天国と地獄との行き先を選別されるわけだ。
中央扉口の右側から左側の像たちを眺めてみた。こうしてずらりと並ぶ像は、本当に見事な陰影を伴ってすっくと立っている。
大聖堂の裏側は高台になっていて、街の概観が見渡せる。
褐色にそろった屋根の色が、落ち着いたたたずまいを演出している。
その真ん中にあった紅葉の樹が鮮やかだった。
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