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天空の聖域へーエリチェ巡礼

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 トラーパニを後にして次の目的地エリチェに向かった。目指すはあの山の頂上。バスは鉄道駅の近くにあるバスターミナルからAST社が運行している。もう1つロープウエイという方法があるが、連日の強風でこのところずっと運行停止になっていた。

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 バスで約1時間。標高751mと、特別に高いわけではないのだが、港の海抜0mから切り立った坂道を結構なスピードで登るので、かなりスリリングな移動時間だった。

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 町の入口は南西の端にあるトラーパニ門。ここをくぐるとすぐ左手に

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 マトリーチェ教会がある。ここがこの町のドゥオモ。訪問は後刻ということで、まずはホテルを目指す。

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 ところが、これが大変だった。トラーパニ門は町の中で最も低い場所。どこに行くにも急な坂道が待っている。しかも路面は変則的な石畳のため、スーツケースがガタピシと今にも壊れそうな大きな音を立てる。道もせまく迷路のようで、なかなか方向が分からない。悪戦苦闘の末にやっとホテルに到着したのは、1時間以上も後のことだった。

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 チェックインを済ませて、街歩きを始めた。ホテルのすぐ近くにあるのがノルマン城。ここはもともと紀元前10世紀に先住民族のシカニ族が豊穣の女神のための祭壇を創った。

 その聖域は、次にエリミ族がカルタゴとの同盟によって強固な城に補強、地中海全体からの巡礼者を集めるまでになった。次いでカルタゴ人がここをアスタルテ女神の聖域に指定。その後ギリシャ人がアフロディーテの、ローマ人はヴィーナスの神殿とするなど、支配者が変わっても常に聖地としてあり続けた。

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 だが、次にキリスト教を信仰するノルマン人が支配したことで、ここは城に変更され、聖域はここの反対側・西端に建てられたマトリーチェ教会に変更され、今では城跡を残すのみになっている。

 それにしても、町1番の高台の岸壁にそそり立つ姿は「天空の城」という表現がぴったりくる。しかもこの日は終始吹き飛ばされるくらいの強風が吹き荒れていて、ちょっと怖いくらいだった。

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 谷の途中にへばりつくように建つ建物もあった。ペポリ侯爵の館。

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 城の手前にある塔からはパリオ公園という小公園になっている。

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 そこから西側を見るとエガディ諸島が望める。

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 展望台付近では、束の間の太陽にそろって日向ぼっこ。

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 というのも、あっという間に霧がわいてきて

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 城壁も霧に隠され、

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 残念ながら海岸線もかすんでしまった。

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 ただ、そんな時でさえも幸せオーラを発散して歩いてゆく恋人たちの姿が、木々の合間からシルエットとなって浮かび上がった。一瞬、幸せのおすそ分けをもらった心地よい気分が広がった。



































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