カイザーヴィルヘルム新教会の深く青いステンドグラス・・・ベルリン㉘

新教会は、入り口から一歩中に入ると一気に‟青の洞窟への潜入”の感覚に襲われた。

中央奥に黄金のキリスト像があり、その周囲はすべて深い青のステンドグラスで囲まれている。

その数実に2万枚。まさに海の底に沈みこんでしまったかのように感じさせる密な空間だ。

しばし椅子に座って堂内を見渡した。1961年の建造ということで、形態はこれまで見てきたゴシックやバロックといった建築と比べると、すっきりした構造だ。

だが、その簡潔な形ゆえに、色彩の印象が一層強烈に迫るのかもしれない。

主祭壇とは別に後方に小さなキリスト像もあった。

床にもカラフルな円の模様が施されている。

ステンドグラスをもう少しアップしてみよう。それぞれの一片ごとに線状の模様があり、

所々に青以外の色彩がちりばめられている。

赤や黄やピンク。

いつかバルセロナのグエル公園で、砕いたセラミックのかけらを組み合わせて造られたベンチの模様を見たことがあった。あのガウディの作品との共通性を思わせるようなステンドグラスだ。

しっかり‟深い海底”の滞在を楽しんで、教会を後にした。
ただ、街を歩いていると美しいものばかりに出会うとは限らない。ツオー駅の周辺では路上で仮眠をとる労務者風の人たちを多数見かけた。彼らはドイツ人というより中東やアフリカからやってきた難民かも。
混沌としたシリア情勢などを背景に増え続ける流入難民は大きな社会問題になっている。ずっと難民受け入れには寛容な態度をとり続けてきたメルケル首相も、昨年末のケルンでの暴行事件などから、制限の方向に舵を切り始めており、難しい局面に差し掛かっているようだ。
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コメント
カイザーヴィルヘルム旧教会は、映画「ベルリン天使の詩」の
最初のシーンにも登場して、空襲によって破壊されたその姿が
とても印象に残っていましたが、前回の記事で内部の様子を
細やかに見ることができ、とても楽しませていただきました。
新教会の青い空間、素晴らしいですね!
写真からでもその美しさが鮮やかに伝わってきて、
ぜひ一度この場所に足を運びたいという気持ちになります。
いつも充実した記事をありがとうございます。
投稿: hanano | 2016年4月24日 (日) 19時44分
hanano様
「ベルリン天使の詩」金曜日の深夜、NHKBSでやってましたね。懐かしく見ながら、途中から眠ってしまいました(笑)。(あ、hananoさんの家にはテレビを置いていないんでしたっけ?)
カイザーヴィルヘルム教会は新、旧ともに見所満載で、お勧めですよ。特に新教会のステンドグラスの青は、写真ではなかなか出せない色で、ぜひ現場で体験してもらいたいなあと思います。
投稿: gloriosa | 2016年4月24日 (日) 20時25分