書籍・雑誌

「インフェルノ」下 ラングドン教授の行きついた場所は?ーヴェネツィア、イスタンブール編

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 「馬の首を断ち、盲人の骨を奪った不実なヴェネツィアの総督」を探して、ラングドン教授と女医シエナはヴェネツィアに到着した。

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 水上ボートで大運河を走っていると、ある教会の壁に「LUCIA」の文字が。

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 ここはサン・ジェレミア・エ・ルチア教会。自らの目をくりぬかれた聖女(サンタ)・ルチアの骨がここに祀られている。ルチアはシチリアのシラクーザで殉教したが、その遺骨がヴェネツィアまで運ばれたものだ。

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 教授はヴェネツィアの中心・サンマルコ聖堂へ。そのファザードを4頭の馬が 飾っている。

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 堂内に本物があり、それはコンスタンチノープルから運ばれたものであることを知る。

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 堂内は黄金の壁画で装飾されて、まばゆいばかりだ。

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 馬をよく見ると、首に巻かれた首輪は、頭部が切断された跡を隠すためであることが明らかになる。

 サンタ・ルチアと馬の秘密が判明した。では誰がそれを行ったのか?調査の結果浮かび上がったのは、エンリコ・ダンドロ。十字軍を率いてコンスタンチノープルを陥落させた勇者だ。「黄金の色をした聖なる英知のムセイオンの中でひざまずき・・・」と、のヒントが提示される。

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 「ムセイオン」とは宮殿のこと。ならば、華麗な建物・ドゥカーレ宮殿にいるのか? しかし、ダンドロはこの宮殿にはいなかった。実に彼の墓はコンスタンチノープルにあったのだ。

 そうした解明と平行して、狂信的な科学者が、世界の人類を3分の1にしてしまうというウイルスをどこかに仕掛けたことが判明する。その仕掛け場所がダンドロの墓と密接な関係がありそうなことが分かってくる。

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 教授は一路コンスタンチノープル、つまり現在のイスタンブールに飛ぶ。ダンドロの墓はイスタンブールで最も有名なアヤソフィアにあることが分かった。

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 アヤソフィアはイスタンブールの中心にそびえ立っていた。

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 キリスト教の聖堂からイスラム教のモスクに変貌した壮大な内部空間。

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 2階にある「請願」と名付けられたキリストの壁画。

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 その真下にダンドロの墓はあった。墓に耳を当てると水音が聞こえてくる。水はどこに流れて行くのか?地下に宮殿があるという。それはアヤソフィアのすぐ近く。

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 そこは巨大な水槽だったが、まるで宮殿。

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 その奥にメドゥーサの首が。怪物はこれだ!

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 人類の大量死をもたらすかもしれないウイルスはここに隠されているのか。

 だが、時すでに遅し!ウイルスは拡散を始めてしまっていた。人類は、そしてラングドンはどうなるのか?

 あとは本をお読みください。

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「インフェルノ」ラングドン教授の辿ったルート上-フィレンツェ編

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 このほど発行されたダン・ブラウンの新作「インフェルノ」を読んだ。「ダヴィンチ・コード」でもおなじみの、主役のラングドン教授は謎の解明のために世界を奔走するが、たまたま主要舞台となった都市は行ったことのある街ばかりだった。それで、小説では見ることのできない都市の風景を、ストーリーに沿って辿ってみよう。(但し、ネタバレになるような核心部分には触れないように注意して書き進めたいと思います)

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 冒頭、ラングドン教授は病院のベッドで目を覚ます。どうして、なぜここにいるのか、記憶が戻ってこない。 ただ、窓の外に見える建物がヴェッキオ宮殿であることで、今フィレンツェに居ることだけがわかった 。しかし、突然襲撃者が侵入して攻撃される。そこに居合わせた医師シエナ・ブルックスに助けられて街中へ逃走する。

 その最中、彼の衣服にあったプロジェクターをみると、ボッティチェッリの「地獄の見取り図」が映し出された。

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 それは、ダンテの「神曲」のなかの地獄篇をテーマとしたものだ。それで、この不可解な状況を解明すべく、ダンテ地獄篇から謎解きに入って行く。ただ、追われっぱなしなので、逃亡を続けながらの行動となった。

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 逃走のルートはピッティ宮殿の庭を通り抜けて、

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 ヴェッキオ橋の上に造られているヴァザーリの回廊を通り、

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 ヴェッキオ宮殿へ。

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 宮殿内の五百人広間に解明の謎が隠されていると見て潜入する。

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 その広間には、ヴァザーリ作の「アンギアーリの戦い」 の大きな絵画があり、これを経由して辿りついたダンテのデスマスク保管室で、

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 デスマスクがなくなっていることが判明した。

 そのころ、ラングドン教授の友人であるドゥオモ付属美術館長イニャツィオが急死、ダイイングメッセージとして「天国の25」という言葉が残されていた。

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 ラングドンとシエナは手掛かりを求めてダンテの家へ。

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 さらにダンテとベアトリーチェが出会ったという教会へ。ここで「神曲」に詳しい人と出会い、「天国の25」というのは天国篇第25歌 を意味し、そこには「私の洗礼盤の前で、冠を探すことになろう」という言葉が書かれていることを発見する。

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 ダンテが洗礼を受けた場所はどこか?それはドゥオモの隣りにあるサン・ジョヴァンニ洗礼堂だった。

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 しかも、その洗礼堂の東門にはミケランジェロが名付けた「天国の門」があるではないか!

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 洗礼堂の中に入ると、きらびやかな黄金の輝きに圧倒される。

 そこにあった洗礼盤の中で、消えたダンテのデスマスクを発見する。そして、デスマスクには「馬の首を断ち、盲人の骨を奪った、不実なヴェネツィアの総督を探せ」の文字が残されていた。

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 ヴェネツィアに行くしかない!ラングドンとシエナの二人の舞台はアドリア海の女王・ヴェネツィアへと移って行く。

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ヴェネツィア散歩 サルーテ教会を眺める

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 ヴェネツィアのランドマークって何だろう?と知人たちに聞いてみたら、圧倒的に次の3つの建築物が挙がった。サンマルコ大聖堂、リアルト橋、そしてサルーテ教会。いずれも甲乙つけ難いが、姿の優雅さ、かなりの場所から見ることが出来るという点も含めて、個人的にはサルーテ教会が一番好きだ。キャサリン・ヘップバーン主演の映画「旅情」でも印象的に映し出されていた。そのサルーテ教会の、夕陽に染まったシルエットを見た時、こんなに感動的な情景があるのかと、心が震えたことを、今でも鮮明に覚えている。

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 その時のもう一つの記憶は、優雅な曲線を持ったこの街灯のフォルム。ヴェネツィアの職人の心意気を見るようだ。

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 サンマルコ広場から眺めるサルーテ教会は、冬が一番だ。見事にそのクーポラの後ろに夕陽が沈んで行く。神々しいまでの瞬間を見るためだけに何度も広場に足を運んだ。

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 もちろん、その姿は昼間だって素晴らしい。ゴンドラと教会とのツーショットは典型的なヴェネツィア。

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 でもなぜか、私は夕陽の光景に魅かれてしまう。まして、背景の雲がさまざまな光の層を形成し、万華鏡のように千変万化の模様を創る、日没前後のほんの少しの時間帯は至福の瞬間だ。

 このような時間帯の写真は、私の写真詩集「ヴェネツィアの誘惑」にも掲載しています(このブログの書籍・雑誌欄参照)。

 

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本が出来ました

ヴェネツィアの誘惑 ヴェネツィアの誘惑

著者:渡部 純一
販売元:幻冬舎ルネッサンス
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ヴェネツィアで出会った幻想的な光景をまとめた写真詩集がやっと出来ました。「立ちながら死んで行く」滅びの美学とでも言うのでしょうか。そんな光景と、そこで浮かび上がる想念の思索を綴った掌編です。アマゾンで購入出来ますので、気に入ったらどうぞ!

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