フィレンツェ

フィレンツェ復活祭の祭り「山車の爆発scoppio del carro」

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 4月の復活祭の朝、フィレンツェのホテルで目覚めた。毎年復活祭(イタリアではパスクワと表現する)の日にここで行われる伝統行事を見るためだ。窓の外には青空。前日から降り続いていた雨が止んでくれた。ほっと一安心。早速行列のスタート地点に向かった。

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 行列の出発は市の西側、ドゥオモから約1キロ離れたプラート門だ。到着したのが9時10分ほど前。もう、先導の騎馬警官もスタンバイしていた。

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 この催しは、磔となったキリストが復活したことを記念する宗教行事。春分の日の後の最初の満月の直後に来る日曜日=パスクワに行われる。ちょうど冬を通り過ぎて訪れる春の喜びとリンクして、フィレンツェでは非常に大きな節目のイベントになっている。イタリア各地で行われるパスクワの催しの中でも、最も有名なものの1つだ。

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 中世の衣装を身につけた女性たちが談笑している風景は、すっかり時代がタイムスリップしたようだ。

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 さあ、まもなく出発。握手して気持ちを新たに。

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 午前9時。ドラムロールとともに行進がスタートした。

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 ぽかぽかの日差しが行進する人たちに優しく降り注ぐ。

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 実は行列の主役はこの山車。高さ5mもの立派なもので、京都祇園祭の山鉾を連想させるような形をしている。

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 その山車を、花飾りをした2頭の白い牛が引いている。

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 立派な髭をたくわえた老騎士。貫録十分。

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 大半は年配の騎士だったが、この人は若そう。

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 女性たちの数は少なかった。でも一番リラックスしていたように見えた。オンニサンティ教会通りからゴルドーニ広場を過ぎ、共和国広場を通ってドゥオモ広場まで行進する。

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 途中、唯一川岸を通るのが、カッライア橋付近。アルノ川を挟んで奥に見える鐘楼はカルミネ教会のものだろうか。この辺で行進とは離れ、ドゥオモ広場に先回りしよう。

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 共和国広場では別のグループが旗振りの芸を披露して観客を沸かせていた。

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 ドゥオモ広場に着いた。物凄い人垣が出来ていた。押し合いへし合いする中、しばらくして行進が到着したが、こんな具合でかすかに垣間見えるだけ。

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 しかし、山車は大きいので、群衆の頭越しでもその模様は何とか見えるだろう。火薬を積んだ山車と教会の祭壇をワイヤーで繋いでいる。このワイヤーを通じて紙製の白鳩型ロケットに点火し、山車の火薬が爆発するという仕組みだ。消防隊がワイヤー繋ぎをしている。

 そんな時、急に黒い雲が湧いてきて空を覆ったかと思うと、すごい勢いで雨が降り出した。まさにバケツをひっくり返したような豪雨が襲い、全身ずぶぬれ。そんな状態なので傘のバリアーが出来てしまい、完全に前方は何も見えなくなってしまった。これではもうダメ!急遽広場をあきらめてホテルに戻った。ホテルは屋上にテラスがあるので、そこからなら少しは見えるかも。

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 テラスに昇ってみると、こんな具合。火花と煙だけはどうにか見ることが出来た。

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 そして、爆発音と歓声。終盤は散々なことになってしまったが、なんとか雰囲気だけは味わうことが出来た。

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雨上がりのフィレンツェ ヴェッキオ宮殿

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 シニョーリア広場から正面のヴェッキオ宮殿に入って見た。厳重なセキュリティ・チェックの後中心のホール「五百人広間」に入った。共和国時代、500人で構成される市民会議を開くために設定されたホールだ。

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 両サイドにはヴァザーリ工房によって制作された戦いの絵が掲示されている。

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 これはこれで、とても華やかな絵画。

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 でも、実はこの絵が掲示される前、歴史的なイヴェントがここを舞台に繰り広げられたのは有名だ。

 1503年、フィレンツェ政庁はダ・ヴィンチにこの宮殿の壁画を依頼した。テーマはフィレンツェ軍がミラノ軍を撃破した「アンギアリの戦い」。政庁は一方でミケランジェロにも反対側の壁に、対ピサ戦の「カッシーナの戦い」を描くよう要請した。2人の天才は制作を開始したものの、ダ・ヴィンチは新しい壁画の手法に失敗して制作を中断。ミケランジェロもそれを見て制作をやめてしまった。結局天才の競作は幻に終わってしまったが、この壁面のどこかに彼らの作品の一部が残っているとの説が有力だ。

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 宮殿の列柱回廊にはこんな可愛らしい像があった。これはダ・ヴィンチの師匠だったヴェロッキオの作品「イルカを持つ少年」。

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 街に出たら、急にスコールのような雨が降ってきた。瞬く間に路面がぬれ、傘を持たない人たちは右往左往していたが、そんな中を双子ちゃんが相合傘で通って行った。

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 30分ほどすごい勢いで降り続いた雨がさっと上がり、石畳に水たまりが出来た。その水面にジョットの鐘楼が浮かび上がった。なんかとても良い感じの写り具合だったので、急いでシャッターを切った。

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 ドゥオモと青空もこんな具合に。

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 ヴェッキオ宮殿の塔もぼんやりと浮かび上がる。

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 鐘楼とドゥオモの先端が一緒に映る場所もあった。

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 こちらはサンタ・クローチェ教会のファザード部分。多分ミケランジェロ達も歩いたであろう歴史を刻んだ石畳とのコラボレーションが面白かった。

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 やっぱりフィレンツェはどこを眺めても絵になる街だ。
 

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フィレンツェの野外彫刻劇場 シニョーリア広場

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 再びフィレンツェに戻って、この街の一つの中心となる広場を見てみよう。ウフツィ美術館の横の広場、シニョーリア広場は、いつも観光客でにぎわっている。

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 ここは昔も今もフィレンツェの政治の中心だ。ヴェッキオ宮殿は、共和国時代に政庁が置かれた建物で、今でも建物の半分は市役所として使用されている。イタリアが統一された約150年前、一時フィレンツェが首都だったことがあるが、その時はここが政府だったということだ。

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 その入り口にある2つの像は、向かって左がミケランジェロの「ダビデ像」(レプリカ)、右側はバンディネッリの「ヘラクレスとカクス」。

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 16世紀初め、ミケランジェロがこの像を造った時、像設置委員会委員だったダヴィンチは横のロッジアに設置するよう意見を述べたが、ミケランジェロは絶対政庁正面を主張して譲らなかったという。そんなこんなで、2人の天才はずっと仲が悪かったらしい。

本当なら素晴らしいダビデが立っているのだが、100年ほど前アカデミア美術館に移されて、今はレプリカとなり、ちょっと迫力不足気味。

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 そのロッジアに、こちらは迫力十分の青銅像がある。これはチェッリーニの「メドゥーサの首を持つペルセウス」。

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 ペルセウスはゼウスとダナエの子供(ダナエの体内に黄金の雨となって入って行くゼウスを描いたクリムトの絵が思い出される)。直接その顔を見ると石になってしまうという妖怪メドゥーサに対して、青銅の盾に映ったメドゥーサを間接的に窺いながら後ろ向きに接近して退治したというエピソードを見事に表現している。

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 この作品でも、ペルセウスはメドゥーサの首は見ていない。すっくと立った姿の美しさはどっちの角度から見てもほれぼれしてしまう。

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 ロッジアのもう1点の傑作は、ジャンボローニャの「サビニ女の略奪」。サビニの女たちをローマの男たちが奪ってしまうという話だが、まさに彫刻的。超3次元で360度の変化を楽しめる。バロックの先駆けのような作品だ。

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 「ケンタウロスを倒すヘラクレス」もジャンボローニャの作品だ。何という躍動美!

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 広場の中ほどにあるのは「ネプチューンの噴水」。アンマナーティ作だが、市民にはあまり評判が良くないとか。

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 小鳥を頭に乗せた「コジモ1世の騎馬像」もジャンボローニャ作。

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 この作品も迫力があっただけど、作品名は不明。

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 こんなに沢山の彫刻があふれる広場だけに観光客はいつも一杯。

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 子供たちも楽しそう。

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 でも、そんな広場の中に、こんな碑文が埋まっている。これはサヴォナローラがここで処刑されたことを記したものだ。

彼はフェラーラ生まれの修道士。1491年にサンマルコ修道院長としてフィレンツェに赴任した。当時のフィレンツェ人の享楽生活を厳しく批判、禁欲を説いた。そんな中ルネサンス文化の擁護者だったロレンツォ・ディ・メディチが死去、世紀末の暗い影を感じた人々はサヴォナローラの教えに傾いた。次第に権力を得た彼は絵や書物を焼き捨てる「虚飾の焼却」まで突き進む。厳しすぎる改革には、市民の心もついに離れ、1498年5月23日、シニョーリア広場で火刑となった。命日にはここに花輪が供えられるという。

サヴォナローラを語る時、私はいつもボッティチェッリの運命に思いが行く。彼も次第にサヴォナローラに傾倒して行ったが、それにつれて、あの「春」や「ヴィーナスの誕生」のような輝かしい華やかさがどんどん失われて行き、暗くメランコリックな色調の絵画に落ち込んで行った。そして最後は何の注目もないままに寂しくこの世を去ってしまった。

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 最後にダビデ、ヘラクレス、ペルセウス3人のコラボでシニョーリア広場を締めくくろう。

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フィレンツェ夜歩き 3 ミケランジェロ広場から

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 フィレンツェ散歩の中でも、町全体を見下ろすのに一番有名なスポットが、このミケランジェロ広場です。ここからの眺めはこれまでにもいろいろなCMなどでも使われていますよね。行き方は簡単。サンタ・マリア・ノヴェッラ鉄道駅前のバス停から、12番のバスに乗って約15分。同広場のバス停に降りればOKです。片道1.2ユーロでした。駅構内のタバッキなどで切符が買えます。13番のバスでも行けますが、逆回りなので倍近く時間がかかってしまいます。従って駅からの往復なら行きは12番、帰りは13番バスを使うと便利ですよ。夜遅くまで運行してます。広場からのドゥオモの見晴らしはざっとこんな具合。

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 前回紹介したヴェッキオ宮の塔が見下ろせます。

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 アルノ川は金色に染まり、ヴェッキオ橋などの橋がシルエットになりました。

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 夕陽は街よりずっと西側に沈もうとしています。

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 町並みやアルノ川沿いの道路に照明が灯り、街全体が暖かい雰囲気になります。

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 夕陽はほぼ沈んで、夜の時間の始まりです。

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 これは別の年に撮った写真ですが、陽の加減で川に映える色が微妙に違いますね。

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 この広場にもダビデ像があります。これもコピーでちょっと情けない顔をしていますが、シルエットにしてしまえば優雅な形だけが残ります。下の像もメディチ家礼拝堂にあるミケランジェロの作品のコピーです。

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 かなり暗くなってきましたね。

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 ドゥオモとヴェッキオ宮が黄昏に浮かび上がります。柔らかい照明なのですうっと街に溶け込む感じに見えます。

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 もう完全に夜。広場にも観光客がいなくなり、ゆったりと夜景を鑑賞できました。

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フィレンツェ夜歩き2 シニョーリア広場周辺

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 ヴェッキオ橋からアルノ川沿いに東に歩くとすぐに、ウフィッツィ美術館の建物に到着します。16世紀、メディチ家のコジモ1世が役所(ufficio)用の建物として造らせたものですが、今ではルネサンス美術では世界最高の美術館として有名ですね。この右側の通路には入場を待つ長い列が出来ますが、夜は静か。間からヴェッキオ宮の塔(94m)が見えます。

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 ヴェッキオ宮は16世紀までフィレンツェ共和国の政庁だった所。今でも市役所がここに入っています。

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 夜空の濃い青と壁のレンガ色とがお互いの色を引き立てあっていますね。

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 広場は彫刻の野外美術館と形容されるほどいろいろな彫刻が並んでいます。中でも、ヴェッキオ宮正面のミケランジェロのダビデ像(現在はコピー、本物はアカデミア美術館に)とチェッリーニの「ペルセウス」(手前)が人気上位なのは間違いない。ペルセウス像のシルエットが庁舎の壁を背景に浮き上がる角度が好きで、夜にはいつもここにきてしまいます。

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 ロッジアにある彫刻でペルセウスの次に印象的なのが、このジャンボローニャ作「サビーニの女たちの略奪」。人間が幾重にも絡み合った姿は見事。

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 ダビデ像は、やはりコピーは表情が本物とは全く違いますね。後ろにはかすかにドゥオモの先端が浮き上がって見えます。

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 広場からドゥオモに向かって延びるカルツァイヴォーリ通り。昼はすごい人で埋まるこの通りも、夜遅くなるとさすがに閑散としてきます。

 サヴォナローラがここで処刑されたという標識が埋まっているこの広場。静かな中でそんなことを思うと、暗闇の中から過去の様々な事件が立ちあがってくるかのような幻想にとらわれそうになります。

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 そんな幻想の気持ちが捉えたのか、ルネサンスの絶世の美女シモネッタの顔が広場に浮かび上がりました!!

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フィレンツェ 夜歩き1

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 今回から少しフィレンツェの風景を掲載しようと思います。実はフィレンツェには何回も行っているんですが、あまりにも奥が深すぎてちょっと手をつけるのをためらっていました。でも、「イタリアの誘惑というタイトルなのにフィレンツェがどうして出てこないのか?」と、何度か尋ねられたこともありました。まずは深入りしない程度に始めましょう。

 そんなわけで、今シリーズはフィレンツェの街歩き。それも夕方から夜にかけての時間帯限定です。ドゥオモとジョットの鐘楼がコンパクトに一枚の写真に収まるのはこの角度。ペーコリ通りという道路から見ると道幅にぴったりはまって見えます。

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 ドゥオモは正式名称がサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。花の聖母大聖堂です。白、緑、ピンクの三色の大理石を使っていますが、夜にかけてはピンクが浮き出して強調される気がします。

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 正面横のクーポラに昇る階段の入り口がある方からドゥオモを見上げてみました。とにかくでかい!

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 ドゥオモからカルツァイウォーリ通りをまっすぐに南に歩くと、ポンテ・ヴェッキオに到着する。日本語に直すと「古い橋」。何のひねりもない単純な名前だけど、現在の橋は1345年完成という歴史を持っています。日本はそのころは鎌倉から南北朝時代にかかったころなので、確かに古い。

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 橋から少し戻った共和国広場。高いアーチのある門がこの広場の印象を強くしているようだ。夜でもここは結構賑やかでした。

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 これは翌日のアルノ川の夕景。地平線近くに雲がかかって、日没の様子までは見られませんでしたが、とても情感のある風景でした。

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 ヴェッキオ橋の一つ下流にあるサンタ・トリニータ橋のたもとには、2体の女性像が飾られています。夕陽の中にたたずむ様子がちょっと神秘的に見えました。この角にはフェラガモの本店があり、そこから続くトルナヴオーニ通りはプラダ・プッチ・アルマーニなどのブランド店が連なるショッピング街。私は一度もこの通りで買い物をしたことはありませんが・・・

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