
既に掲載していたと思っていたミラノの大聖堂がまだ未掲載だったのに気付きました。それで、この大聖堂を数回にわたって紹介しましょう。
ミラノ中央駅から地下鉄3号線で4つ目・ドゥオモ駅で降りると、この大聖堂が目に入る。その大きさ、ゴシックの極みのような尖塔群など、まさにミラノのランドマークだ。
高さ108・5mのこの教会は、エレベーターで屋上に昇ることが出来る。早速昇ってみよう。途中に見える柱とアーチの組み合わせはまるでシルクのように繊細で、思わず触ってみたくなるほどだ。
また垣間見える尖塔の群れにも目を奪われる。尖塔の数は135本だという。
装飾アーチを間近に見ると、恐ろしくなるほどきめ細かに並べられている。ミラノっ子の間では仕事などがいつまでも終わらないことを「大聖堂の現場のようだ」というのだそうだ。1386年に着工されながら、完成したのが1887年と約500年もかかったことから、こんな表現になったのだろうが、それだけの細工もまた入念に行われたということだろう。
柱の隙間から眺めると、無数の彫像が中空に並んでいる。その向こうははるかアルプスだ。
やっと屋上にたどり着いた。正面にそびえるのがマドンニーナと呼ばれる黄金の聖母像。屋上からでも、こんなに遠く感じる。
屋上はこんな風に中央が通路のようになっており、最盛期にはまるで路上のように沢山の人たちで混雑する。
天上から見下ろす聖人たちの像はすべて合わせると2245体。それでは時間もかかりますよね。日本と違ってヨーロッパでは一つの建物が完成まで何世紀もかかるということがよくある。スペイン・マドリードの王宮も500年かかったという話を聞いたことがあるし、ガウディの聖家族教会も100年以上かかってまだ未完成だ。
ずいぶんと長い間、ミラノではこの大聖堂より高い建物は禁止されていたという。神に対する畏敬の念だろう。しかし、1960年、中央駅前のピレッリ・ビルがここを抜いて127mのビルとして建設された。2002年4月、あのニューヨークの9・11事件の半年後に小型機が衝突してあわやアルカイダのテロかと一時騒がれたあのビルだ。
イタリアの多くの他の都市と違って、ミラノは旧市街と新市街の区別がつきにくくなっている。屋上から見るとすぐ近くに現代的なビルが林立しているのがわかる。
すぐ下を見下ろせば、名物のガレリアの入り口が見える。その右側にはデパート・リナシェンテが続いている。
こんな風に外壁のあちこちに子供や動物の像も見かけられる。そんな像を見つけて歩くのも面白い。
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