トリノ

トリノ ポー川の風景

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 トリノの街はポー川とともに歴史を歩んできた。最終回はそのポー川を中心に街を眺めてみよう。トリノ・ポルタ・ヌオーヴァ駅からヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世通りを東に10分も歩けばポー川にぶつかる。アルプスに源を発するこの川はゆったりと流れている。

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 川手前にあるヴァレンティーノ公園には、前夜に降った雪が積もっていた。

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 川に架かるウンベルトⅠ世橋には女神像が建っている。

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 川沿いに北上して行くと、右手に教会が見えてくる。グラン・マードレ・ディ・ディオ教会だ。その入り口では十字架を抱えた聖母が迎えてくれる。ちょうど朝日が昇るところで、聖母の頭から後光が差しているようだった。

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 この教会は大きな円形をした瀟洒な建物になっている。

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 教会は夜になるとライトアップされ、夕闇に浮かび上がる。

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 教会から正面を見ると、手前のヴィットリオ・エマヌエーレⅠ世橋からまっすぐにポー通りの道路が走り、アルプスの山並みが遠くにそびえている。このあたりの通りと橋の名前が似たようなものばかりでややこしい。この橋はナポレオンがこの地を支配中に建設されたのでナポレオン橋とも呼ばれる。サヴォイア家が支配を取り戻した時、「敵が造った橋だから壊してしまえ」という声も上がったが、時の支配者は「毎日ナポレオンを踏みつけていると思えばいいではないか」と存続を決めたという。

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 そのややこしい橋に立って下流を眺めた。正面に見えるのが、最初に渡ったウンベルト橋。流れが緩やかだ。

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 対岸のビルをきれいに水面に映していた。

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 と、なにやらうろこ雲が広がり始めた。冬の北イタリアは天候が変わりやすい。

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 その雲を背景にそびえるモーレ・アントネッリアーナの塔とポー通りの街灯が、まるでキスでもするかのように接近中。

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 塔の近くにある大学キャンパス近くで、学生のカップルがまるで映画の1シーンのように何事か話し合っていた。

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 王宮近くで入った書店。丸い窓が開いていてカステッロ広場が垣間見える。また、雨になってきた。

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 一回りしてポルタ・ヌオーバ駅に戻ってきた。ピエモンテ州の中心駅だ。

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 夜テレビを見ていたら、このところの悪天候でローマのサンタンジェロ橋に観光船が衝突、座礁したというニュースをやっていた。この年の冬は連日のmal tempoで、私もトリノからニースに行く電車が途中雪でストップ、5時間も止まったままで待たされた揚句、一旦トリノに引き返してジェノヴァ経由で丸1日遅れでニースに到着するということもあった。旅にはいろいろなアクシデントがつきものだが、結果的に無事に帰国出来れば、まあ良い思い出になるということかもしれない。

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トリノ 歴史的名画のポスターと夕暮れの街

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 映画博物館の中に入ると、目につくのは懐かしの名画のポスターだ。チャップリンの「モダンタイムス」(1936年)は、高度産業社会下で人間が機械の一部品のように使い捨てられ、尊厳が失われてゆく様をシニカルに描いた名作。この映画で初めてチャップリンの肉声がスクリーンから発せられた。

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 永遠の名作「カサブランカ」(1942年)。モロッコの都市カサブランカでの運命的な出会いと別れを、ハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンの共演で描いた。アカデミー作品賞を受賞。ここでハンフリー・ボガードが使ったキザなセリフ「君の瞳に乾杯」はあまりにも有名だ。

 また、「昨夜はどこにいたの?」「そんな昔のことは覚えていないね」「今夜会ってくれる?」「そんな先のことはわからない」という会話も、結構はやった記憶がある。(実は私も一度試しに使ってみたことがあります・・・)

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 「自転車泥棒」(1948年)はイタリア映画界の巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の代表作の一つ。第二次世界大戦後のローマを舞台に、貧困の現状と親子の愛情を見事に表現した。アカデミー外国映画賞受賞。この頃のポスターはほとんどイラストだったようだ。

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 ミュージカルも一つ。「雨に唄えば」(1952年)。ジーン・ケリー主演の楽しさいっぱいの映画。タイトル曲「シンギング イン ザ レイン」は今でも友人がカラオケで歌っている。

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 「ふたりの女」(1960年)。これで主演を演じたソフィア・ローレンがアカデミー主演女優賞を獲得し、世界のトップスターに躍り出た記念碑的作品。この時ソフィアは26歳。はつらつとした体当たりの演技が印象的だ。前回掲載した映画博物館前の写真は、この時のものかも。ポスターを見て、主役より監督の名前のほうが大きいことに気付いた。デ・シーカ監督はやっぱり巨匠だったんだな、と改めて感心。

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 館内の一室がこんな状態に。これは映画の1シーンを再現したもの。確かマカロニウエスタンの一場面だったような・・・。

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 博物館の上にある展望台で街を眺めた。アルプスに抱かれた街が暮れなずんで行く。手前は王宮の建物だ。

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 西側にはモン・ヴィーゾのピラミッド状の頂上が飛び出ている。

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 雲が多かったが、頂上は見ることが出来た。

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 博物館近くの大通り。整然とした雰囲気がわかる。

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 建物のライトアップも始まった。手前は国立図書館?

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 博物館の建物モーレ・アントネッリアーナを夜見ると、こんなすっきりとした姿で闇に浮かび上がっている。

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 館内には2つの大きなスクリーンがあり、名画の一部などを常時上映していた。飛行機のビジネスクラスのようなリグライニング付きの座席があり、そこにゆったりと座ってイヤフォンで音楽を聴きながら画面を見ていた。

 いくつもの映画の場面が次々と現れて、オムニバスなのかなと思っていたら、そのうちようやく意味がわかった。様々な名画に登場したダンスの場面をつなぎ合わせて見せてくれていたのだ。幸せそうに、あるいは別れを控えたカップルの苦悶のダンス、さらには初めての愛を予感させる喜びのダンスなど、さまざまな人生の展開を思わせるダンスの場面集。「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストで様々なキスシーンをつなぎ合わせたフィルムが映し出されるが、それをも思い出しながら、いつの間にかどっぷりと映画の世界に浸ってしまっていた。

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トリノ  シンボルタワーは映画博物館

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 カステッロ広場からポー川に続くポー通りの途中から左に折れて、モンテベッロ通りを歩いて行くと、右手に大きな映画のスチールが何枚も飾ってある建物に出会った。これが映画博物館だ。

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 高さ167mのこの建物はモーレ・アントネッリアーナ。19世紀にユダヤ人協会がシナゴーグとして着工したが未完のまま中断、それをトリノ市が引き継いで完成させた石造の巨大な塔だ。2000年にここを活用して映画博物館が開館した。トリノはイタリアにおける無声映画発足の地だとのこと。

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 この塔を近くのカプチーニの丘から見ると、アルプスを背景に悠然と塔が浮かび上がる典型的なトリノ紹介の絵ハガキになる。

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 モンテベッロ通りは石畳の美しい通り。右手前の数字が書いてあるポスターの建物が、モーレ・アントネッリアーナ。

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 近くに大学があるらしく、この通りでは若者たちが談笑しながら行き交う姿がよく見かけられる。

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 博物館正面前に掲示されていたいくつもの映画のシーン。いずれもタイトルは不明ですが、とてもいい感じなので、ここに掲載しちゃいましょう。これはソフィア・ローレンの若いころの作品。強い女の表情がよく出ているなあ。

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 騒然とした混乱期の南イタリアかな?

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 こちらはミステリアスな映画のような・・・

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 これは撮影風景。ナポリ風な現場ですね。

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 館内にはスターたちのポートレートが。光っている写真はクラウディア・カルディナーレ?映画ファンにはたまらない展示が満載だけど、それはまた次回に。

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トリノ 老舗カフェと大聖堂の聖骸布

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 トリノは美しい街並みをそぞろ歩きするのも楽しいが、散歩に疲れたら伝統を誇るしゃれたカフェでゆったりとしたひと時を過ごす楽しみもある。前回紹介したサン・カルロ広場の一角にあるカフェ・トリノは、リソルジメント(イタリア統一運動)の活動家たちがここに集まったカフェだという。遅い午後にアペリチーボ体験のために入ってみた。カクテル1杯と2種類のチケッティ(つまみ)を注文してゆったり。螺旋階段のある豪華な店内ではちょっと気取った客たちがくつろいでいた。

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 その前日に入ったのが、1875年創業というカフェ、バラッティ・エ・ミラノ。三日月形をした王室御用達の高級チョコ「バラッティ」はこの店で初めて造られたのだそうだ。内装は重厚な中にも華やかさがあり、店内は人であふれていた。

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 どうにか席を見つけて座ったら、隣の家族連れの男の子が、私をじっと見つめている。やはり日本人は珍しいのだろう。「こんにちわ」って挨拶したら、はにかみながらニッコリ。とってもかわいかったので、写真を撮らせてもらった。かわいいでしょう!

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 ところで、この店はまたイタリアで初めてトラメッジーノ(サンドウィッチ)を発売した店ということで、腹は空いてなかったが小を頼んでみた。まあ、特別な感想はありません。

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 もう1軒入ったのが、1763年創業というトリノ最古のカフェ・ビチェリン。こちらはホットチョコレートにコーヒーを混ぜ、泡立てたミルクを注いだ「ビチェリン」というメニューが超有名。もちろんそのビチェリンを注文した。

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 これがそのビチェリン。甘くてほろ苦くてソフト。人気の訳がわかるような気がした。この大理石のテーブルはなかなかすごいと思ったのだが、後で調べてみたら、私が座った入り口入ってすぐ左の席は、統一イタリア初代首相カヴールがいつも座っていた由緒ある場所だったことがわかった。

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 王宮のあるカステッロ広場から西に600mほど行ったコンソラータ聖所記念堂のまん前にある。また、プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」がトリノで初演された1896年、プッチーニはこの近くに住んでいてよくこの店を訪れたという。作品の設定はパリの下町だが、劇に登場するカフェ・モミュスはビチェリンがモデルになったということだ。

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 その、まん前のコンソラータ聖所記念堂は、外見では想像がつかない豪華な教会で、びっくりしてしまった。

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 グアリーノ・グアリーニによる楕円形の天井は17世紀の作品。

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 随所に豪華絢爛なバロック装飾が施されている。

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 そして、何といってもびっくりしたのがこの銀の聖母子像。私もかなり多くの聖母子像を見たけれども、こんなにギラギラ輝く像は初めて。

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 トリノの教会で最も有名なのが、大聖堂の聖骸布。キリストが磔になった時、その遺体を包んだ麻布(縦1・1m、横4・3m)のことで、この布にキリストの顔、釘で傷ついた手足、右わき腹の血の跡などがくっきりと映っているということでキリスト教では超一級品の聖遺物になっている。本物は厳重に保管されており、教会内にはその写真が展示されていた。

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 布には写真でいうネガの状態で跡が付いており、それをポジに直すと、このようにキリストの姿が浮かび上がるというわけだ。永年にわたって真贋論争が続いており、部外者にはよくわかりません。

 でも昨年5月から6月にかけて修復後の初公開があり、数百万人の人が世界中から集まったという話です。

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 本物はたしかこの奥に保管されていると聞いた記憶が・・・。

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トリノ サン・カルロ広場と「芸術の光」

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 カステッロ広場からポルティコ(柱廊)の続くローマ通りを南下して行くと、宮殿風の立派な建物に囲まれた広場に出る。ここがサン・カルロ広場だ。ちょうどポルティコの天井アーチ越しに広場奥の2つの教会が目に飛び込んでくる。向かって右側が高い鐘楼を持つサン・カルロ聖堂、左側がサンタ・クリスティーナ聖堂。

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 双子の聖堂が並んで印象的なローマのポポロ広場を連想させるような教会の位置関係だ。ここは「トリノの客間」と称される、祝祭の空間だ。朝方の青い空気感がすがすがしさを感じさせてくれる。

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 広場の中央にはエマヌエーレ・フィリベルトの騎馬像が置かれている。16世紀にこの街の発展を牽引した英雄だ。

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 広場手前にはこんな広いポルティコ兼ガレリアがある。北に位置するトリノは、特に冬場は雨や雪の日が多くなるが、全長20キロというポルティコのお陰で濡れずに街を歩くことが出来る。確か、イタリアではボローニャに次ぐくらいの長さだと記憶している。

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 こちらはッサン・カルロ広場の中間地点のポルティコ。MARTINというネオンのある場所が老舗のカフェ・トリノ。次回に豪華なこのカフェの内部を紹介しよう。

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 広場の各所にこんなカラフルな街灯が光っていた。これはいつもあるものではなく、ちょうど開催中だった「ルーチェ・ダルテ」(芸術の光)という催しものの一環だった。

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 2006年のトリノオリンピック開催年から毎年、12月には何人もの光のアーティストを招待して、街の各所にオリジナルなイルミネーションを製作展示している。最近の日本の年末のイルミネーションのような派手派手なものではなくて、手作りの優しさを感じられるものばかりだった。

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 街灯アートも、朝方と夜ではかなり印象が違ってくる。

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 カステッロ広場からポー川に続くポー通りではおもちゃ箱のようなイルミネーションが。

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 ポー通りの反対側のガリバルディ通りのイルミネーションは文字のネオン。手前は「いつもとても困難だった」次は「話すことと聞くこと」その奥は「そして静寂の森があった」など、なにやら哲学的な 雰囲気も。この日は金曜の夜で、文字の下はあふれるほどの雑踏だったけれど・・・。

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 右上方に青く輝くのは、アルプス山脈を俯瞰した高台のカプチーニ教会のイルミネーション。左手前はグラン・マードレ・ディ・ディオ教会。

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 こちらはローマ通りの西側にあった赤と青の光の組み合わせ。こうした展示を見られるのはトリノの冬ならでは。(なお、以前にも「ヨーロッパ・イルミネーション」の項目で紹介しいています)。

 

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トリノ カステッロ広場と王宮

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 トリノは京都のように街並みは碁盤の目のようになっている。その中心部を貫くローマ通りは、王宮のあるカステッロ広場から、サン・カルロ広場を通って駅前のカルロ・フェリーチェ広場へと続いている。スタート地点となるカステッロ広場を独り占めしたいと思い、早朝に出かけてみた。すると、ライトアップされた王宮が、手前にある2つの騎馬像をシルエットに青白く浮かび上がっていた。 ああ、早起きしてよかった!

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 前日降った雪がまだ残っており、寒さはかなりのものだったが、こんな光景を独り占め出来たことで、全然OK。左手の美しいクーポラはサン・ロレンツォ教会だ。

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 また、右手にある建物はマダーマ宮殿。もともとは古代ローマ時代の大きな門があった場所だが、17世紀にヴィットリオ・アメーディオ1世の未亡人など2人の夫人が住んだことから、マダーマ(マダム)宮殿という名前が付いたという。バロック様式のファザードが華麗だ。今は美術館になっている。

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 リソルジメントと呼ばれるイタリア統一運動が盛んになった19世紀中ごろ、トリノはその中心地でもあった。その指導者カヴールはこの地・サルディーニヤ王国の宰相で、統一の立役者となった。その時の王、つまりイタリア王国初代王であるヴィットリア・エマヌエーレⅡ世が居住していたのが、この王宮。ただ、トリノが首都であったのはわずか3年だけ。その後フィレンツェ、さらにローマへと遷都されて、トリノが主役だったは歴史は はかなく消え去った。

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 カステッロ広場の横の通りには、こんなエジプトの像がぽつんと置いてあった。トリノには有名なエジプト博物館があるが、その関係のイベントだったかも。

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 王宮側からマダーマ宮殿を望む。整然と均衡のとれた広場は、どこから眺めても様になる。

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 こちらは広場を出て、サン・カルロ広場に向かうローマ通り。ポルティコが続き市電も走り、風情のある道だ。

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 翌日マダーマ宮殿で新婚カップルに出会った。美男美女の素敵な取り合わせで、こちらも幸せをおすそ分けしてもらおうと、写真を一枚。

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 外に出たら、別の新婚がいた。新婦がブーケを新郎に投げた。ブーケの扱い方は日本とイタリアでは違うのかなあ?

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 最後にもう一度、王宮の夜景を。こちらは雨のちらつく夜でした。

 

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トリノ 統一イタリア最初の首都 アルプスの風景

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 今日から数回に分けてトリノを紹介しよう。今年は、1861年にイタリアが統一されてからちょうど150年。3月からそれを記念した各種行事が展開される。その統一後のイタリアの首都となったのは、実はトリノだった。そんなわけで、冬のトリノの風景から行きましょう。こんなに見事にアルプス連峰が街から眺められる都市だ。

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 トリノはイタリア北西部、ピエモンテ州の中心都市で、人口130万人。というより、2006年の荒川静香さんが金メダルを獲得した冬季オリンピックが開催された街といったほうが、わかりやすいかも。

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 私が行ったのは2008年の12月。ジェノヴァから電車で到着した。滞在した4日間のうち、晴れたのは1日だけだった。朝目覚めて星が見えたので、夜明けの街を撮影しようと中心広場に出かけ、その後、街を一望できるポイント、カプチーニの丘を目指した。丘には小さな広場があり、そこからの眺めはまさに絶景!

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 手前に整然とした街並みが広がり、そのすぐ奥には新雪を頂いたアルプスの山並みが迫ってくる。

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 その街並みの中に飛びぬけて高くそびえる塔がある。モーレ・アントネッリアーナ。アレクサンドリア・アントネッリ設計で、167.5mとヨーロッパの石造建築としては最も高い塔の一つだ。

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 後日紹介する予定だが、この建物の内部は国立の映画博物館になっている。

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 山並みはほぼ横並びの高さだが、北西側に一つだけピラミッドのようにとんがった峰が見える。これがモンヴィーゾ(3841m)だ。

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 トリノの街を流れるポー川は、ここを源流として、ピアチェンツァ、フェッラーラを通ってイタリアを横断、アドリア海に注いで行く。おそらくイタリアの中でも最も長い川ではないだろうか。その昔ハンニバルが象軍団を率いてアルプス越えをしたというエピソードも、この山付近の峠を越えたということだ。

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 景色を見ていたら、近所のおじさんが犬を連れて散歩にやってきた。遠景が少しガスっているのを見て「早朝ならもっとくっきりとアルプスが見えるよ」と教えてくれた。そこで「じゃあ、明日は朝一で来てみようかな」と答えると「残念!明日は雪だよ」との答えが返ってきた。確かに、翌日は雪が降り、アルプスは全く見えなかった。

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 この丘にはサンタ・マリア・アルモンテ・デル・カプチーニ教会という長い名前の教会がある。小さな瀟洒な教会だ。

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 北東側の丘の上に見えるのがスペルガ聖堂。登山鉄道が通っており、これに乗れば10分ほどで山頂に行ける。翌日に行ってみたが、雪のうえに5m先も見えないという濃い霧に見舞われて、全くの無駄足になってしまった。

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 そうこうしているうちに、お似合いのカップルがやってきた。犬のおじさんによると、ここは格好のデートコースなのだという。邪魔しちゃいけないということで、街に戻った。

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