プラハ 眺望

スメタナ博物館、カレル橋の石像

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 明日は帰国という日の午後、もう一度プラハの風景を目に焼きつけておきたいと、街歩きに出かけた。

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 春の陽光の中で清らかに輝き

 明るく 音高く 厳かに まろやかで 楚々とした 

 あの青春の乙女のような姿を

 または 黄昏時のプラハへ注ぎこむ 限りなく明るく 誇らしげなプラハの

 灯を映して 繻子のような ブロケード織りのような 

 燃えるような輝きを見せるその姿を

 すべての景観をしのぐ景観 美の中の美 プラハの空や宮殿 庭園

 この地の美しい景観のすべてを伴った 

 プラハ全体の中でも最高の魅力を

    カレル・チャペックは彼の著書の中で、ヴルタヴァ川をこのように記している。

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 スタートはやはりヴルタヴァ川岸。カレル橋のたもとには大きなスメタナの像のあるスメタナ博物館がある。

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 1863年から6年間、実際に彼が住んでいた建物だ。壁面にはスグフラットの装飾が施されている。

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 高台に上り、カレル橋を見下ろす。この写真では橋の中央付近の奥の建物がスメタナ博物館だ。

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 俯瞰すると沢山の橋が見える。手前のカレル橋から、チェコ軍団橋、イラーセク橋、パラツキー橋と続いている。

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 旧市街地側の橋塔がそびえる。結局この塔には上らないでしまった。



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 丘を下ってマラーストラナ側のカフカ記念館横から川岸に出た。今度はカレル橋を見上げる感じだ。

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 橋の上には30体の石像が並ぶ。この写真は、手前が聖ノルベルト、ヴァーツラフ、ジギスムント像、奥が聖ボルジャ・フランシスコ像。双方が何か話し合っているような和やかな風景に見えてしまう。

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 こちらは手前が聖ヤン・ナポムツキー像、奥が聖ルドミラとヴァーツラフ像。ネポムツキー像は一番人気。唯一のブロンズ像になっている。

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 カレル橋に入った。とても美しいポーズをとっている聖ヴィート・ヴィトウス像。

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 このように似顔絵や音楽の演奏など商売も盛んで、いつもにぎわっている。

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 聖フランシスコ・ザビエル像がこれ。夜明けの撮影時にはこの像の付近に居た時間が最も長かった。お世話になりました、ザビエルさん。

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 橋の上の像の中でも最も美しい表情をしていた聖アンナ、聖母とみどり児像。

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 一番旧市街側に建つブロンズの十字架像。この橋が出来た当時は橋の上で公開処刑が行われた。罪人はこの十字架に最期の祈りを捧げてこの世を去って行った。 つまり、以前はこの橋もかなり血なまぐさい場所だったわけだ。




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ヴィシェフラド  プラハのルーツ、偉人たちの眠る場所

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  チェコにはこんな伝説がある。7世紀、ヴィシェフラドという土地にリブシェという美しい姫が住んでいた。彼女はヴルタヴァ川を遥かに見下ろす丘に立ってこう宣言した。「ここに大きな町を造るがいい。その町をプラハと名付けよう」

 それから1400年もの歳月が流れ、まさにリブシェが宣言したその場所に、プラハの街が広がっていた。

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 トラム17番に乗ってヴィトン停留所で降り、キュビズムの住宅を左手に見ながら坂を上って行くと、高い2本の塔を持つ聖ペテロ聖パウロ教会が見えてくる。

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 教会の先の公園の一角に、リブシェの沐浴場と呼ばれる展望台があり、ここがビューポイントだ。

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 ちょうどヴルタヴァ川が蛇行する地点を間近に見ることが出来る。

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 そして、パラツキー橋を手前にして、プラハ城を含む川の左岸全体が一望できる。それはまさに、リブシェが思い描いた、美しく繁栄するプラハの今日の姿だ。

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 ここには大きな墓地が作られている。浅い知識ながら、知っている著名人の墓探しを始めた。すぐに見つかったのが作曲家スメタナの墓。周囲の群を抜いて大きな角柱が目印だ。彼の代表的な交響曲「我が祖国」の第1楽章のタイトルは、「ヴィシェフラド」。ここに造られた大きな城にまつわるエピソードが歌われて、私たちがよく知る第2楽章「ヴルタヴァ(ドイツ語でモルダウ)」へとつながって行く。そんな歴史と川の流れが感じられる場所で、スメタナは眠っている。

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 もう一人の有名な音楽家ドヴォジャーク(ドボルザーク)の一際大きな墓は、墓地を囲む塀沿いにあった。胸像は威厳たっぷり。交響曲第9番「新世界より」のような情感あふれる曲を作った人の顔とは思えない強面の感じ。

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 カレル・チャペックの墓を見つけた。「ロボット」という言葉の生みの親であるチャペックの墓は、ロケットのような変わった形。

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 本を模った石碑に名前が刻まれている。科学が本来の役割を外れて戦争の道具になり、人類を不幸にするという、社会の危険性を指摘した作家でもあった。

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 もう一人、アルフォンス・ムハ(ミュシャ)の墓があるはずだと、何回も墓地を回ったが、どうしても見つからない。そんなところに墓掃除の係員が来たので尋ねると、すぐそばのスメタナの墓の先を指さす。いや、その辺りは見たはず。大きな石碑がどんとあるだけだ。でも係員は「そこだよ」。そう強調されて、もう一度石碑の周りをゆっくり眺めて見た。

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 あ、あった!大きな石碑を何十もの黒い墓石が囲んでいるが、その中の1つに名前が刻まれていた。

 独立した立派な墓石を想像していただけに、拍子抜け。聖ヴィート大聖堂のあの素晴らしいステンドグラスを思い起こしながら、改めて手を合わせた。

 パリでの大成功の後プラハに帰ったムハが、あのステンドグラスを製作したのは71歳の時。さらに大作「スラヴ叙事詩」を描き上げたが、ナチス侵攻時、チェコの民族意識を強調する危険人物とされてゲシュタボに逮捕され、健康を害して間もなく命を落としてしまった。77歳だった。

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 この墓地には著名人以外にもユニークな墓がいくつか見受けられた。この細い女性像は、彫刻家オルブラム・ゾウベック作。

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 だれか芸術家の墓だろうか?とても前衛的。こんな光景に、この墓地を「死者のギャラリー」と呼んだ作家もいるという。

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プラハの夜景 チャペックの言葉

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やっとプラハ城のライトアップが始まった。薄明かりの残る空を背景に、聖ヴィート大聖堂の尖塔がすっくと立ち上がってきた。

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 正面のヴルタヴァ川越しに見えるスメラノーヴォ通りの家並みは、整然とした姿を見せる。左端にスメタナ博物館、その奥にティーン教会、まん前の位置中ほどの黒い三角帽子のような屋根は火薬塔だ。

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 北側にはルドルフィヌムが一段と明るく見えている。この中にあるドヴォジャーク(あの「新世界交響曲」を作曲したドヴォルザークの現地読み)ホールは、市民会館のスメタナホールとともにプラハの春音楽祭のメイン会場となる。「遠き 山に 日は落ちて・・・」という歌詞がこの風景を見ているうちに思い出された。

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 徐々に暮れてゆくプラハ。それと反比例してプラハ城は輝きを増して行く。

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 マラー・ストラナ地区は照明を受けた聖ミクラーシュ教会だけが明るく、周囲は青い闇に沈もうとしている。

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 チェコの国民的作家カレル・チャペックは、愛する祖国の中心地・プラハの夜の光景を、自身の著書の中で次のように描写している

「フラッチャーニ城(プラハ城)は照明灯の光線の中で、以前よりもっと明るく輝くき、電灯の花輪で飾られた大司教の宮殿は、さらに目立つように長く輝く光の列の冠をつけている。

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 今やそのイルミネーションの輝きはカレル橋の明るいアーケードを抜けて、こよなく美しき川ヴルタヴァにまで広がり、巨大な光のクール・ドヌール勲章のたすきとなって、クシジェヴィニーク広場のイルミネーションの仲間と結合し・・

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 国民劇場の気高いシルエットの辺りで閉じられている」。

今では、当時は存在しなかったテレビ塔のイルミネーションも加わって、一層華やかにプラハの夜を彩っている。

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 聖ヴィート大聖堂のゴシックの尖塔が重厚な輝きを帯びて、夜の帳が街をすっぽりと包み込む。

 

 ちょっと人恋しくなってきた。さあ、街に戻ろう。

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プラハ ストラホフ修道院 街を見下ろす

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 プラハ城の後は北側を通るトラム22番に乗って、ストラホフ修道院に向かった。修道院入口の手前が小さな広場になっており、ここからの眺めが素晴らしい。

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 正面を見ると左手に聖ミクラーシュ教会の鐘楼があり、奥に2つの尖塔を持つティーン教会が見える。そのほかさまざまな塔が林立し、まさに百塔の街のイメージそのままの光景が見渡せる。

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 手前をアップしてみると、カレル橋が。早朝は無人だった場所だが、昼近くのこの時間帯には沢山の人でにぎわっている。

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 広く見渡せば、聖ヴィート大聖堂の塔が空に突き刺さるように伸びている。朝日の昇る時間帯なども素晴らしいだろうと、ここで風景画を売っていたおじさんに「この広場は早朝や夜も開いているのか」と聞いてみた。彼は「いつでも開いているよ」と答えながら、広場入り口のカギを指差した。なるほど、そのカギは壊れており、閉鎖できない状態になっていた。納得。時間があれば来てみようかな。

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 この修道院は図書室の天井画が有名だが、敷地内にいくつもの建物があり、間違って最初に入ったところは美術展示スペースになっていた。よく知らない画家たちばかりだったのでさっと見ただけだったが、ある一室の天井画がとても美しかった。

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 迷ってみるのも意外な発見があって面白い。

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 こちらが図書室。ここも聖ヴィート大聖堂と同じく写真撮影料として50コルナを徴収された。神学の間は白を基調としたバロック装飾。十三万冊の書籍を納めた棚の上に17枚の絵が描かれていた。威圧感がすごくて、ここで本を読む気にななれそうもない。

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 隣の哲学の間は、天井画も華やかだし開放的で落ち着けそう。

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 蔵書で埋め尽くされた書棚と「真の知恵の認識を求める人類の戦い」と題された天井画が配置されている。絵はアントン・マウベルチ。

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 敷地内にはこんな可愛らしい建物もあった。

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 帰りがけ、もう一度プラハの街並みを見下ろしてから、旧市街広場に向かった。

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