ピサ・トスカーナ

ピサ・アルノ川の昼下がり、ドゥオモ広場の夜

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 ピサの午後から夜にかけての光の変化は劇的な風景を演出してくれる。そんな変化を眺めてみよう。

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 フィレンツェから流れてくるアルノ川は、ピサを経由して地中海に注いでいる。川のほとりに散歩に出かけた。この日はほとんど風のない好天で、川面も鏡のよう。

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 近くの通りでは、地元の人たちがベンチに座って雑誌を読んでいたり談笑したりと、のどかな昼下がりだ。

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 橋のアーチと建物とが川面で融合して、別の風景を描き出していた。

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 水面を眺めるだけで、面白い。

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 ソルフェリーノ橋付近では市民たちものんびりとパッセジャータ。

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 そうこうするうちに日が傾いてきた。先ほどの橋のたもとにあるスピーナ教会の鐘楼まで夕陽が落ちてきている。

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 ドゥオモ広場では斜塔がオレンジ色に装い始めていた。

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 ゆっくりと沈む夕陽によって洗礼堂の円錐形がくっきりと浮かび上がった。

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 近づくと改めてその大きさを実感する。

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 ああ、夕陽が沈んで行く。

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 東側に移動して斜塔と大聖堂とを一緒に見られる場所に来た。シルエットになると、一層傾きが強調されるような気がする。

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 日が沈み切り、広場がライトアップされ始める。

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 ほぼ同じアングルで見た大聖堂と洗礼堂。昼と夜では全く印象が違うことが分かる。

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 斜塔もライトアップ。ピサはフィレンツェから近いせいか、多くの観光客は日帰りでここを訪れるようだ。そのためライトアップされる頃には極端に人が少なくなる。個人的にはゆったりできてうれしいのだが、こんな美しい夜景があるのに、とんぼ返りでは本当にもったいないような気がする。

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 最後に夜のドゥオモ広場の全景をご覧頂こう。深い青と白く輝く大理石の建築群が見事に調和して、まさに「奇跡の広場」がそこにあった。

 600年以上も前に完成したこの優雅な空間を、今も体験できることに感謝!!

これからイタリアに行ってきます。それで、3週間ほどブログはお休みしますが、来月後半には新しいイタリアの風景をお届けできるかと思っています。ではまた、arrivederci !

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意外?にも盛りだくさんの掘り出し物 カンポサント、付属博物館

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 ピサのドゥオモ広場にある建築物には共通入場券が便利だ。ドゥオモ、洗礼堂、カンポサント、ドゥオモ付属博物館などが、すべて1枚の切符(10ユーロ)で入場できる。それで、入る予定のなかったカンポサントにも入場してみた。

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 外から見ると単なる平屋建ての大きすぎる長屋といった感じだったが、中は広々とした開放的な空間。

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 長方形の中庭には、パレスチナのゴルゴダの丘から運んだという大量の土が敷き詰められていた。

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 回廊の各所にいろいろな彫像が飾られているが、特に目についたのが石棺の上に置かれたこの像。18~19世紀に活躍した彫刻家バルトリーニの作「ウラーニア」。ギリシャ神話に登場する文芸の女神だ。

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 こんな魅惑的な表情の女神が自分の棺の上に横たわっていては、とてもその下で安眠など出来そうにもないと思えるのだが・・・。

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 こちらは見事に白い大理石が人物をノーブルに見せている。

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 こちらも目鼻立ちのくっきりした女神?

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 カンポサントは1944年7月、第二次世界大戦末期に連合軍の砲撃にあって壊滅的な被害を受けた。壁にあったほとんどの壁画が破壊されてしまったが、今も地道な修復が続けられている。

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 なかでも有名なのは「死の勝利」と題されたフレスコ画。14世紀に蔓延したペストの惨状を記録したという。緻密な描写が素晴らしい。

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 こちらは何の戦いだろうか。

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 最後の審判で地獄に落ちた人々?

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 これは説教壇の浮き彫りに似ているような。

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 今度は斜塔の奥にある付属博物館に入った。こちらには大聖堂などに飾られていた物を移して展示している。

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 ファザードに飾られていた浮き彫りだろう。

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 木彫りの聖母子像。聖母はちょっといかついお顔をしている。ロマネスク時代の作なのだろう。

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 磔刑像。非常に悲しい場面なのだが、この木彫りの素朴さがとても身近で温かい感覚を与えてくれる。

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 この聖母もふっくらとして親しみやすい。

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博物館の中庭に面した回廊からも、斜塔の姿がしっかりと見えた。

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ピサ・ロマネスクの代表建築 ピサ大聖堂

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 奇跡の広場の外観を見たら、今度は大聖堂の中に入ってみよう。まずは1063年に建設が始まり12世紀初頭に完成した大聖堂へ。この時期に発達したロマネスク建築の代表ともいえるもので、当時トスカーナ地方の聖堂建築のモデルとなっていた。

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 面白いのは、使われている柱に何やら文字が入っていたこと。古代ローマ時代の石材を再利用したという。上の方の石にはADRIANO、などという文字も見えて興味深い。

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 扉には新約聖書の20の物語が彫りこまれている。これはキリスト誕生かな?

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 室内は広々。68本の太い列柱がずらりと並ぶ。これらの柱の多くはパレルモ沖海戦でイスラム教徒から奪い取ったものという。

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 1595年の火災の後に再建された天井は、凹凸のあるパネルが敷き詰められた格子天井になっている。

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 ジョヴァンニ・ピサーノ作の説教壇。丹念に彫りこまれた人物群像が印象的だ。

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パネルの仕切りにも人物像を用いて装飾性の強い造りになっている。右横のランプは、ガリレオがこれを見て振り子の等時性を発見したとして「ガリレオのランプ」などと言われたりしたが、等時性発見が1583年、ランプ制作が1587年なので、物理的におかしいとされている。

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 中ほどの天井に描かれた聖母被昇天の絵が素晴らしかった。真下から見上げることを計算に入れて、本当に浮き上がって行くかのような飛翔感を感じさせてくれる。

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 中央祭壇にどんと位置する「玉座のキリスト」。とにかく巨大で、教会に入ったとたんにこのキリストと正面から相対する格好になる。ビザンチンの匂いを持つフレスコ画で、圧倒される存在感だ。また、下に細く映っているキリスト磔刑像はジャンボローニャの作品。

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 キリストの右横に控えめに立っているのは聖ヨハネ。これはチマブーエの最晩年の作とされている。

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 燭台を持つ天使像はジャンボローニャ作。豪華な背景に黒い像は異色な感じ。

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 ありゃりゃ、中世オンパレードの空間に、なにやら現代風な彫刻が・・・。しかも左端の人は全然威厳なし。ユーモラスで、ほっと一息つける場所。

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 隣りの洗礼堂にも入ってみた。ロマネスク建築特有の階上席があり、そこまで昇ることが出来た。上からの眺めがこれ。中央部分にある8角形がビガレッリ作の洗礼盤だ。大理石で出来ている。こうして見るとがらんとした空間になっている。

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 その中で存在感たっぷりなのが、1260年、ニコラ・ピサーノ作の説教壇。大聖堂にあった説教檀作者のジョヴァンニ・ピサーノの父親だ。息子より約半世紀前に造られたもので、こちらの方が素朴な感じがする。

 次はカンポサントに入ってみよう。

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ピサ 奇跡の広場 斜塔

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 フィレンツェから電車でピサを訪れた。ICで約1時間。日常の通勤時間程度であっという間にピサ駅に着いてしまう。ただ、旧市街中心地はアルノ川を越えて少し離れた場所なのでバスを利用しようと思ったが、乗り場がわからなかったので歩いてみた。それでもローマ通りを北上すると20分ちょっとでドゥオモ広場に到着してしまった。

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 広場を囲む城壁入口のサンタマリア門から、いきなり傾いた塔が目に入った。

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 そして、大聖堂の白い姿も飛び込んできた。

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 緑の芝生に覆われた広場に、手前から洗礼堂、大聖堂、鐘楼(斜塔)、カンポサント(墓所)と、4つの白い建築物が並んでいる。「奇跡の広場」と呼ばれる、イタリアでも有数の美しい広場が広がっていた。

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 ピサは13世紀後半までは海に面した海洋国家だった。十字軍遠征に参加し、商圏を拡大して莫大な富を蓄積した。ヴェネツィア、ジェノヴァ、アマルフィと肩を並べる交易都市となり、その財源を基にしてこの壮麗な建築を次々と完成させた。

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 1番手前にあるのが洗礼堂。高さ35mの白大理石が映える円形の建築で、下層はピサ・ロマネスク様式と呼ばれる造形だが、14世紀になってから進められた上層部は高さを強調するゴシックの特徴もみられる。こちら側の屋根は化粧板がある。

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 でも、逆側は屋根がむき出し状態で残されていた。頂上の像は青銅製の聖ヨハネ像。

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 大聖堂(ドゥオモ)はピサ・ロマネスクの代表建築だ。ファザードに太い列柱がずらりと並ぶ特徴的な造りが目を引く。

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 そして斜塔。正式には鐘楼なのだが、傾いてしまったことにで世界中でも最も有名な鐘楼となってしまった。1173年に着工し、当初は100m以上の高い塔にする予定だったが、軟弱な地盤のために着工12年後くらいから傾き始めてしまった。工事は一旦中断されたが、再開後はまたさらに傾きを増し、上層部の中心軸をずらしながら建設が続けられた。

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 なので、よく見ると途中から傾きが中央部に戻るような形になっている。

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 直径17m、高さ55m。地面と最上階とで4m近くのずれがあるという。

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 根本の部分をアップするとこんな具合の傾きだ。

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 怪しげな雲が突然湧いてきて、わずかの時間だったが不思議な光景が見られた。

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 宿泊したホテルは奇跡の広場のすぐ近くだった。屋上に昇ったら大聖堂や斜塔をこんな風に一望することが出来た。大聖堂は建物が十字に交差し、その交点に円蓋が載せられている。下から見てもわからなかった形態がここだとよくわかった。

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 そして、斜塔の向こう側にはトスカーナの山々が広がっていた。清々しい気分。

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