ルーブル美術館中庭の夜
今回宿泊したホテルから、ルーブルは目の前。朝晩の行き帰りにも中庭がメインルートになっていた。美しいスペースだが、特に観光客が少なくなる夜の風景は見ごたえのあるものだった。
オペラ座側からの入口門をくぐると、ドーム型の出口に中庭のピラミッドが見えてくる。これがライトアップされると、まさにこれ自体が美術作品のように浮かび上がる。
中庭に入ると、建物に沿って街灯が並ぶ。
ピラミッド。イオ・ミン・ペイの設計したガラスのピラミッドは、1989年の完成当時賛否両論が飛び交ったが、今はすっかり馴染んできている。
ピラミッドと後方の建物ドゥノン翼のファザードとが見えるアングルは、まさに現代と中世の融合。
ドゥノン翼のファザードには女神像が刻まれている。
ピラミッドの後方にはカルーゼル凱旋門が見える。
この広場にあるカルーゼル凱旋門の上には4頭の馬の像が見えるが、一時ここにはヴェネツィア・サンマルコ聖堂にある4頭の馬が飾られていた。ナポレオンがヴェネツィアを占領した時に略奪したためだ。しかしその後戻されて現在に至っている。
ルーブル宮は10世紀の建築だ。
ドゥノン翼の屋根とピラミッドの先端が交わるような角度だと、生き物がこちらを見つめているようにも見えてくる瞬間がある。
ピラミッドの前、凱旋門と向き合うように建つ騎馬像はだれ?
この後で夕食に行ったレストランで「あれはだれ?」と聞いてみると、まだ若いウエイトレスさんが「ルイ14世よ」と即答してくれた。
こんな豪華な風景の庭だが、普通に路線バスの通り道になっている。モンパルナスからオペラ座に繋がる83番バスなど、外の見えない地下鉄よりもずっと楽しい観光気分になれること請け合いだ。チケットはどちらも共通で使える。
ホテルに帰って部屋の窓を開けると、うっすらとライトアップされたルーブル宮が夜の闇に浮かび上がって見えた。
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