VENEZIA ベスト3

リアルト橋からの情景

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 今回は久しぶりにヴェネツィアに戻ろう。ヴェネツィア観光に来た人のほとんどが訪れるのは、サンマルコ広場とこのリアルト地区だろう。サンマルコ広場が政治と祝祭の中心地なら、リアルト地区は商業の中心地として古来から繁栄してきた場所だ。そしてリアルト橋は運河(カナル・グランデ)が最も美しく眺められるところでもある。

 何年か前、この橋の上で2時間ほどぼんやりと運河を見つめていたことがある。あいにく曇り空で夕陽は見えなかったが、次第にあたりが暗くなり、河岸の灯が灯っていく変化をたっぷりと楽しむことが出来た。そんな情景をご覧頂こう。まずはまだ十分に明るいカナル・グランデ。

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 河岸のいくつかのリストランテや商館が照明を点灯し、その光が運河に映って金色に輝き出した。黄昏時の心が洗われるような瞬間だ。

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 すっかり夜のとばりが周囲を支配し始め、それにつれて建物の明かりが強く感じられるようになっていく。闇に沈んだカナル・グランデもまた、とても味わい深いものがあった。

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狭い通り

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 ヴェネツィアの街を歩いていると、あちこちでとても狭い通りにぶつかる。それで、先日の旅ではメジャーを持参してどのくらいの狭さかを計ってみた。その結果を報告しよう。

1 [55cm」 ヴァリスコ通り(Cl Varisco)

 ミラーコリ教会の北側、魚介類を売る出店の出ているステラ広場から、この出店を背にして真っ直ぐ進むとヴァリスコ通りに入る。この通りに入った付近は人通りもあり1m以上の幅があるが、一つの道と交差した先の運河に行き着く10数mの部分は極端に狭くなっている。最も狭い所は実に55cm。完全に人一人がやっと動けるという限界ぎりぎりの狭さだった。ただ、ここは全く人の通った気配は残されていなかった。

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2 [64cm] ロッキオ・グロッソ通り(Careseria de l’ochio grosso)

 アルセナーレ停留所で降りて、アルセナーレ(国営造船所)を目印に進む。正面からサン・マルティーノ教会側の側面を回りこんで縦長のゴルネ広場に行き、すぐ左のバスティオン通りに曲がると2本目の小路がこの通りだ。長さは10mほどでその先に交差するピッシーナ・サンマルティン通りが見えるのだが、たどり着こうとすると、両肩に左右の建物の壁がぶつかりそうで、決して走ったりは出来そうにも無い。

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3 [69cm] ストレッタ通り(Calle Stretta)

 リアルト橋を渡りサンポーロ地区に入ってすぐ左折し、運河沿いに進むと右側にサン・シルベストロ通りがある。ここからサン・アポナル広場まで進む。さらにアルギリッツィ広場に入って行き止まりの建物まで進むと、その左側にストレッタ通りが見つかる。ここは石畳3枚分の広さ。名前がイタリア語で「狭い小道」という意味なのだから、自他共に認める狭さだ。ただ、通行者は結構多い。犬の散歩道にもなっているらしく、私の前を若い女性が3匹の犬を連れてさっそうと通り過ぎていった。広場は子どもたちの遊び場になっており、乳母車(車の無いヴェネツィアだが、乳母車だけは許可されており、よくみかける)若いお母さんたちの談笑の場でもある。晴れた日の午後など、明るい話し声がゆったりした空間に響きわたっている。

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4 [77cm] ラフィネリア通り(Corte Rafineria)

 アルゴリッツィ広場からストレッタ通りと反対側に目をやると、この通りがある。とても短い小路で、奥の小さな広場に突き当たってあっという間に道が終わる。狭いと思う道は大体石畳3枚分くらいが多いのだが、ここは一部ちょっと大き目の石畳2枚という場所がある。

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5 [86cm] クルニス通り(Ramo Secondo Del Curnis)

 サン・アポナル広場に戻って、広場から少し右側に行くとこの通りがみつかる。リアルト橋から奥に入ったこの周辺はヴェネツィアの中でも特に狭い通りの多い地区になっている。地面の部分はそれほど狭くないのだが、3階付近から上は出窓のようになっていたりするため、ほとんどくっつきそうで、圧迫感はここが一番あるかも、という雰囲気だ。

   

  

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傾いた鐘楼

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 ヴェネツィアの街を歩いていると、鐘楼が傾いているのをあちこちで見かける。今回は、そのベスト(ワースト?)3を取り上げよう。

サン・ジョルジョ・デイ・グレーチ教会

 スキアヴォーニ海岸を歩いていくといくつもの橋を渡るが、その中でも比較的大きなグレーチ運河に架かる橋の上で海とは反対側を眺めると、傾いた白い鐘楼が見える。それがグレーチ教会の鐘楼だ。傾斜度はトップを争うくらい大きく、向かいの島、サン・ジョルジョ・マッジョーレの鐘楼から見てもはっきりとわかる。名前のとおりこれはギリシャ人たちの教会だ。15世紀ころのヴェネツィアはまさにインターナショナルな都市だったが、在住ギリシャ人も約5000人にも上った。ここはその在住ギリシャ人たちが建立した、西欧で最も古いギリシャ教会という。今も、東方正教会の礼拝が行われているという。ただ、私は何十回もこの付近を通ったが、残念ながら一度も開いているところを見たことがない。

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サント・ステファノ教会

 サンマルコ地区のほぼ中央部にあるサンタンジェロ広場に立って西側を見上げると、今にも倒れそうな鐘楼が目に入る。サント・ステファノ教会の鐘楼だ。北方向に傾いており、見つめていると平衡感覚がおかしくなってくる。15世紀の建物で、老朽化に加えて近年まで続いた地盤沈下などの影響もあるといわれている。危険防止のために、行政当局が下部に支えを継ぎ足して補強したほか、センサーを取り付けて日常的な監視も続けている。

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サン・ピエトロ・デイ・カステッロ教会

 サンマルコ広場からムラーノ島に行く41番のヴァポレットに乗ると、本島の東の外れを回りこむようにして船が進んでいくが、その際立ち寄るサン・ピエトロ停留所で降りるのが、この教会への近道だ。ラグーナ側から見るとそれほど傾いていないようだが、教会正面に立って横の鐘楼を眺めると、やはりかなりの傾きだ。白亜の塔のたたずまいはとても美しい。教会の中では聖ロレンツォの生涯のエピソードを描いた天井画が迫力十分に迎えてくれる。ほとんど観光客は来ない地域で、住民たちの日常を垣間見ながらゆったりと時間を過ごせる空間でもある。

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サン・マルティーノ教会

 本島ではないが、ブラーノ島のサン・マルティーノ教会の鐘楼も、その傾きが名物になるほど有名だ。さすがに倒壊の危険が増したのか、2007年夏に訪れたら、修復の工事が始まっていた。果たして真っ直ぐな鐘楼に戻せるのか?多分サント・ステファノ教会と同様にこれ以上の傾斜を防止するための工事に留まるのだろうと思われる。最近ブラーノ島に行かれた方、今はどうなっているでしょうか?

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不思議な雲

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 今日は不思議な雲の特集です。最初は2年前の12月、ヴェネツィア・サンマルコ広場で朝焼けの風景を撮ろうと出かけた時のこと。カナルグランデの先のレデントーレ教会の上空から教会に向けて一条の雲が急降下してきた。すわ!飛行機事故か・・・と身構えたら、雲はこの時点で消えてしまった。ちょっとデンジャラスな雲の線だった。まあ、事故にならなくてよかった。でも本当に落ちてきたら、スクープ写真になったかも。

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 こちらは去年の夏。朝日の昇る少し前にリド島方面になにやら雲のかたまりが浮かび上がった。よく見るとまるでヴィーナスが天空でダンスをしているような姿が!とても神秘的な光景だった。

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 これはヴェネツィアではなく、アルプスのふもとミズリーナ湖の湖畔。昼食を済ませて外に出たら、空に大きな鳥が羽を一杯に広げて飛び立つかのような雲が現れていた。千変万化の雲は旅の思い出をさらに豊かなものにしてくれる。

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フェイスペインティング

 このところちょっと硬い内容が続いたので、今日は柔らかい写真をお見せしよう。ヴェネツィアのカーニヴァルでは仮面を被った人たちが街中にあふれるが、仮面でなく、顔にペインティングを施した人たちも続々広場に集まる。これらの人たちは大半が観光客だが、祭りに直に参加した気分が味わえる。私が出会ったペインティング女性ベスト3は以下の通り。

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 まずはサンマルコ広場で出会った2人組。「写真を撮ってもいいですか?」と聞くと、2つ返事で快諾してくれた。とてもチャーミングな笑顔だった。

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 この2人は、カーニヴァルの時期ではなく、クリスマス直前のころ。リアルト橋近くの中華料理店に入ったら、向こうから「写真を撮って」とリクエストされた。食事中もはしゃぎっぱなしでヴェネツィアの旅を満喫していた。

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 こちらはカーニヴァルの時。溜息橋の近くでいくつものペインティングの出店が出ていたが、そこで書いてもらい始めた少女。高校生くらいの年代は本当にかわいい少女が多い。

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 この女性は上の少女にペインティングを施していた職人さん。上の写真を撮る数十分前で、お客が来る前に自らにペイントしていた。ちょっと歌舞伎の隈取にも似ているようで・・・

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素敵なドアノブ

 ヴェネツィアの街を歩いていると、建物の玄関にあるドアノブがとてもバラエティ豊かなのに気づく。圧倒的に多いのはライオンを模ったものだが、それ以外にも人の顔や動物など、ドアノブ散策だけでも一日がつぶれてしまうくらいに楽しい。今回はその中でも個人的に気に入ったベスト3を紹介しよう。

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①仮面のドアノブ

 まずはいかにもヴェネツィアらしいものから。S・M・デイ・フラーリ教会に行くために、バポレットのサン・トーマ停留所で降り、カッレ・トラゲット・ヴェッキオという通りを歩き始めたら、右手の店のドアに仮面がぶら下がっていた。そこは仮面の店なので仮面があって当然なのだが、よく見ると、あれあれ、これがドアノブになっている。こうした仮面の活用法は初めて見た。金色で、顔の上半分だけ覆う形で、一種のアイデア賞ものかも。

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②女性像のドアノブ

 S・M・フォルモーザ広場からサン・ザッカリア 方面に行くルーガ・ジウッファ通りで、こんな立派なものを見つけた。通常の取っ手よりかなり大きめ。羽根の付いた女性の上半身像で、一目で魅せられてしまった。写真を撮っていたら、他の通行人も何人も立ち止まり始め、ちょっとした人だかりが出来てしまった。

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③鷹のドアノブ

 サンタルチア鉄道駅近くのサン・マルクオーラ停留所から、バポレットに乗ろうとマルクオーラ教会横を通ったら、まさに停留所真ん前の建物の入口にこんなドアノブが付いていた。多分鷹だろうが、とにかく堂々とした鳥の彫刻型ドアノブだ。この入口には進入禁止の標識がかかっており、現在は別の場所から出入りしているようだが、ドアノブだけは表玄関の風格を漂わせていた。

 イタリアではどこに行っても面白いドアノブに出会うことが多い。こうした遊び心とアート性の発見も、旅の楽しみの一つだ。

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船いろいろ

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①大型観光船

 ヴェネツィアには大型のクルーズ船もしばしば寄航する。この船は今年のヴェネツィア・カーニヴァルの際見かけたもので、その名も「カーニヴァル・フリーダム」。ジュデッカ島を散歩しているときに偶然通りかかった。

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②帆船

 こちらは大型の帆船。去年の夏、スキアヴォーニ河岸で遭遇したもので、帆は張っていなかったが、とても優雅な姿で、しばし見とれていた。

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③野菜船

 一方、生活にかかわる船もゴンドラやヴァポレット以外にも沢山見られる。これはサン・バルナバ運河にいつも出ている野菜を即売する舟。種類も豊富で食欲をそそる。ここは、映画「旅情」で、キャサリン・ヘップバーンが撮影に夢中になっていてうっかり落ちてしまった、あの運河だ。こうした食料品を売る舟は、ジャルディーニの運河にも毎日出ている。街を歩いていると、思わぬ光景に出会うのも楽しみの一つだ。

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優しいマリア像

このブログはヴェネツィアを中心としたイタリアの風景が中心になりますが、時々はちょっとマニアックなものも紹介していきます。その第一弾として、ヴェネツィアの教会でよく見かける優しいマリア像のベスト3を、独断と偏見で選んでみました。

教会を回っていると、主祭壇などに重々しく掲げられた高名な画家の聖母像とは別に、小振りなマリア像が置かれていることが多い。カラフルな彩色がなされており、とても親しみやすいマリア様だ。その中でもとてもかわいらしく優しいマリア様をご覧あれ。

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①サン・カンチアーノ教会

まずはカンナレージョ地区、サンティ・アポストリ教会の近くにあるこの小規模な教会正面右側の入口付近で迎えてくれるのが、このマリア様だ。正面にある厳粛なキリスト磔刑像とは対照的。服の青は抜けるような鮮やかさで、ちょっと紅潮したお顔の色と良くマッチして安らぎを与えてくれる表情が印象的だ。足元のロウソク立てにはいつもロウソクが赤々と灯されている。周辺の教会の多くは昼から夕方まで一旦扉を閉めてしまうが、ここだけは日中も常に開かれており、夏場など暑さを避けて休息させてもらう場所として、よく利用させてもらった。もちろんそんなときは心遣いのお布施を捧げましたよ。

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②サン・ジュゼッペ・ディ・カステッロ教会

本島の東側、カステッロ地区。ヴェネツィアビエンナーレが開かれるジャルディーニの停留所でヴァポレットを降りて、すぐ右側の小路を進むとこの教会が見えてくる。この地区は庶民的な住宅の集まる場所で、晴天の日などは道路を横断して洗濯物がはためく光景によう出会う。その小運河沿いの教会に入ると、左奥に星のきらめく王冠をかぶり、イエスを抱いたこのマリア様がいらっしゃる。美しく可憐な表情だが、イエスを片手で軽々と抱く、結構力持ちのマリア様だ。

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③サンタ・マリア・デッラ・ヴィジタツィオーネ教会

サンマルコ広場の南側、ドルソドーロ地区。ジュデッカ運河に面したザッテレの海岸に、ジェズアーティ教会と並んでこの教会がある。ジェズアーティ教会が豪華なバロックの装飾にあふれているのに対して、ここはひっそりと質素なにたたずまい。祭壇左のマリア様はまるで夢見る少女のようにうっとりと空を見上げている。悩みを抱えているときでも、このマリア様と対面すると、すうっと心が軽くなり、慈悲をいただけるような気持ちになった。何回目かの訪問時には、地元の若者たちが祭壇を借りて合唱の練習をしていた。程よい反響もあり、結構レベルの高い歌声に包まれて、一層安らかな気分を味わったものだった。

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