サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会
フランチェスコ教会の西方、バポレットのオスペダーレ停留所近くにあるのが、このパオロ教会だ。ヨハネ(ジョヴァンニ)とパオロという二人の聖人名をまとめて名付けられた欲張りな教会は、名前にふさわしく壮大な建物と内容を持っている。
内部に入る前に広場の騎馬像に注目だ。これはバルトロメオ・コッレオーニの像。ヴェロッキオの作品だ。ベルガモ出身の傭兵隊長だったコッレオーニは、「サンマルコ」に像を建立するという条件で資金を提供したのだが、ヴェネツィア政府は個人の像を都市の政治的、精神的中心地である「サンマルコ広場」に置くつもりは全くなく、「スクオーラ・グランデ・サンマルコ」(サンマルコ同信会館)のあるこの広場に像を設置したという。ヴェネツィア人はこのエピソードがとても好きなのだとそうだ。
その同信会館が写真後方の建物で、教会と隣接しており、今は市民病院になっている。病院という意味のイタリア語が「オスペダーレ」で、その名称が最寄の停留所名になっているというわけだ。カーニバルのときは、サンマルコ広場周辺だけでなくこの広場にも仮面の人たちが出没していた。
教会内部でも、個人的なお気に入りは左翼廊の奥にあるロザリオ礼拝堂。ヴェロネーゼの絵画が天井を彩っている。この絵は「聖母被昇天」。仰視法を使い、聖母マリアが天に昇ってゆく姿を華やかな色調で描いている。じっと見上げているだけで心の中に高揚感が湧き上がり、幸せな気分にさせてくれる絵画だ。
こちらは壁に掛けてある「キリスト誕生」。手前下側の聖家族に光のスポットを当てて後方を闇に霞ませた劇的な手法が、いかにもヴェロネーゼらしく、これもまた印象的な絵画だ。
ヴェロネーゼ以外にも著名な絵画が何枚もある。ジョヴァンニ・ベリーニの「聖ヴィンツァンツァ・フェッレリ」もその中の一枚だ。大きな祭壇画で、一枚の板に9枚の絵が描き分けられており、中央の人が癒しの聖者といわれたタイトルの人物だ。
横幅85m、奥行き32mという、ヴェネツィアではフラーリ教会と並び、サンマルコ大聖堂をしのぐほどの大きさを誇るこの教会には、海洋国家の反映を支えた当時の最高権力者(ドージェ)25人もが祭られている。
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